構造災――科学技術社会に潜む危機

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災害には大きく分けて「人災」と「天災」がある。人災は人の過ちによる災害である一方で、天災は天候によって起こった災害を表している。しかし人災や天災にしても社会構造を起因している災害として「構造災」というのがある。その「構造災」はなぜ起こるのか、そしてそれを防ぐための手立てはあるのか、本書は知られざる構造災のあれこれについて追っている。

第1章「構造災とはなにか―科学社会学の視点から」
災害は人や天候ばかりではなく、長きにわたる歴史の中で出た社会のひずみ・欠陥などから起こることから名付けられている。そもそもその概念が生まれたのは今から14年前に出版された「知の失敗と社会」という本から定義づけられた。あまり聞きなれない構造災だが、これに該当するものとして今から5年前に起こった福島第一原発事故が挙げられる

第2章「構造災のメカニズム」
なぜ福島第一原発事故が起こったのか、その災害が「構造災」と呼ばれるのか、そのメカニズムには、社会そのものの構造を読み解く必要がある。「社会構造」にはネットワークも含めてみる必要があるという。

第3章「構造災の系譜」
構造災は最近起こり始めたのかというと、今に始まったことではない。本章では戦前に起こった海軍の大事故を取り上げながら、原子力に関する法律の制定の経緯から福島第一原発事故がなぜ起こったのか、そのことについて取り上げている。

第4章「いま生まれつつある構造災」
かくも社会は複雑であるが、その複雑の中には必ずと言ってもいいほどのひずみ・欠陥が存在する。その中で構造災は生まれつつあるという。

本書で取り上げた「構造災」は日本の福島第一原発事故であるが、それ以外にもありそうな気がする。もちろん日本のみならず、先進国は日本に近いほど複雑な社会となっており、その複雑さによって思いもよらない災害を引き起こしているように思えてならない。そのことを考えると日本に限らず世界で「構造災」が起こっているのか、検証していく必要があるのではないかと本書を見てそう思った。

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