地方消滅 創生戦略篇

地方は東京に比べても衰退の一途をたどっており、消滅の危機にある。それは著者の一人である増田氏が2014年に「地方消滅―東京一極集中が招く人口急減」を中公新書にて出版されたときに口火を切った。それから地方は本当に消滅するのかどうか、様々な論者が議論をするようになった。

しかし増田氏はその地方消滅を食い止める手立てはないわけではなく、イノベーションを行うことによって都会以上に発展するきっかけを築くことができるようになる。本書はその地方消滅の現状と解決するための方法を取り上げている。

第1章「消滅危機の実態とナンセンス」
経済はアベノミクスによって回復していると思いきや踊り場に差し掛かってしまい、衰退の一途をたどっている。そのような経済の衰退は地方にも波及し、それがさらなる衰退を招いてしまっているという。その痛みも地方に分配されてしまっているという。しかし地方には様々なチャンスが眠っているという、その要因として一次産業があるという。

第2章「L型大学から地方自治まで―地域のために何ができるか?」
L型大学とは一体何か、それは簡単に言うと東大や京大と言った一流大学以外のことを表している。そう考えると私自身の出身も「L型大学」である。その大学も地域ともに共生をする大学もあり、地域とのパイプをつないでいる。その大学と地方自治などが地方にのしかかっているように思えるのだが、実は大学や地方自治などが相乗効果で地方活性化につなげられるきっかけをつくることができるという。

第3章「地方発イノベーションの時代」
地方から国に向かってイノベーションをするにはどうしたらよいかというと「村おこし」だけではなく、地方から技術を生み出し、日本、世界全体に向けて伝えていく可能性もあるという。

地方には様々な可能性があるというが、それを行うのは地方に住む方々である。その方々がどのようにイノベーションを行っていくか、そして生産していくか、その指針を本書にて示している。