生物に学ぶイノベーション―進化38億年の超技術

人間を含めた生き物も、社会も同様に日々「進化」を遂げている。その遂げている進化はどこから来ているのか、それは生物の進化にヒントがあるという。ではどのヒントをどのようにして活かしていけば良いのか、本書はそれについて伝授している。

第一章「生物の形をまねる」
あらかじめ言っておくが、本章で取り上げている「まねる」は実際にその生物になりきるというわけではなく、生物の生態を利用して社会の利器に活かすことを取り上げている。利器と言っても実用化できているものもあれば、まだ研究段階のものもある。本章ではそれらのことを取り上げている。

第二章「生物の仕組みを利用する」
生物の生態を利器として利用していく中で生物の仕組みを利用することは必須事項である。しかしそうしていくためには仕組み自体を深い次元で理解していく必要がある。本章ではそれらを理解し、利用していく術について実例を通じて取り上げている。

第三章「生物がつくったものを活用する」
生物から社会の利器をつくるのは決して生態や仕組みばかりではなく、生物が作った産物を利用することもまた一つの手段である。本章ではコミュニケーションツールやインフルエンザ対策、さらには老化防止の仕組みなど、生物が作ったものを利用した概念を取り上げている。

第四章「生物そのものを扱う」
生物そのものを利用することにより、産業を発展するための助けになったものもある。その事例について本章にて紹介している。

第五章「生態系に寄り添う」
動物の生態系は様々で、生態によっては産業を進化していくに大いに役立つ材料となるものも少なくない。その恩恵を受けることによって人類にしても社会にしても進化をすることができたのだが、それはすべて「寄り添う」ことにつながったからである。本章ではその考え方を伝授している。

動物の進化にはその種類のみで進化できるとは限らない。それは人間とて同じことであり、社会とて同じことである。様々な形で共生・利用していくことによってイノベーション(変革)を続けてくることができた。もしもイノベーションを起こそうとしてもなかなか結びつかないと悩んでいる方であれば、本書でもってイノベーションとは何かを知ることができるし、それを起こすための参考材料となる。