スポーツアナウンサー――実況の真髄

アナウンサーと言ってもニュース専門の「ニュースキャスター」、さらには本書で取り上げる「スポーツアナウンサー」が挙げられる。直近ではリオデジャネイロのオリンピックもあれば、高校野球もある。それらのスポーツの中継放送で実況を行うのが本書で取り上げるアナウンサーの役割なのだが、その実況から見たスポーツとは何か、そしてスポーツアナウンサーの具体的な役割と背景はどこにあるのかを取り上げているのが本書である。

第1章「スポーツ実況と中継放送」
スポーツの実況は一つ一つの主だった動きを言葉で出し、動きによって声のトーンを変えるようなことも行っている。アクションをどのように表現し、視聴者へどのようにして伝えていけば良いかの役割を持っている。これはテレビでもラジオでも同じなのだが、特にラジオでは声でしか伝えることができないため、その傾向が顕著になる。その中で実況を務めるアナウンサーはどのように伝えていくのか、そのことについて取り上げている。

第2章「スポーツ実況のなりたち」
元々スポーツアナウンサー、もといスポーツ実況はいつ頃から生まれたのかというと、1937年、イギリス・ウィンブルドンのテニスの試合を2台のカメラを使って毎日30分放送したのが始まりとされた。日本ではいつ頃かというと1953年、テレビ放送がスタートしてからのことである。その時は野球監督が実演を加えながら放送をするスタイルであり、その後スポーツ中継が行われるようになった。その後プロレス中継や東京オリンピックなど様々なスポーツ実況が組まれ、スポーツアナウンサーがスポットライトを浴びるようにもなった。

第3章「実況席から見るスポーツ」
では実況席から見たスポーツはどのような世界なのか、それは時間や距離など競技によっても大きく異なってくる。そのことなってくる中で実況席ではどのように見えて、それでいて、視聴者らにどのようにして伝えていくのかを取り上げている。

第4章「実況放送のバックグラウンド」
実況一つでスポーツの魅力が変わってくるといっても過言ではない。その実況の中でも名言が生まれ、今日でも語り継がれるような名調子も存在する。その中の実況で出てくるものが「ストーリー」や「ドラマ」である。そのストーリーやドラマはどのようにしてできるのか、そのことについて取り上げている。

第5章「サッカー実況のしくみ」
最後はサッカーにスポットを当てて、サッカー実況はどのようにして行われていくのか、事前準備も含めて、実際の実況ではどのようにして伝えていくかそのことを取り上げている。

スポーツアナウンサーの中には名実況を行う人物も少なくない。その少なくない中でどのようにしてスポーツを視聴者たちに伝えていくのかを余すところなく伝えられている。そのことから知られざるスポーツアナウンサーの姿がここにあると言っても過言ではない。