エデュケーション

日本の教育現場にまつわる本は今まで色々と読んできたのだが、本書は小説であるにせよ、教育現場のことを生々しく描かれている。

「日本の教育現場を変えたい」という夢と情熱に駆られた若者が、次々と立ち向かう残酷なる「現実」。その「現実」に立ち向かいながら、理想に向かってひたむきに奔走していく新米教師たちの物語が本書である。
「教師になりたい」という夢は人によって存在し、理想の教師像も人それぞれである。しかしその理想や夢を破壊させるほどの現実は現在の教育現場にも存在するのだという。

その現実はどのようなものか非常に事細かに表現されていて、教育に関する議論の本よりもすっと入ってきやすい。もちろん小説なので脚色があることは否めないが、それを抜きにしても「教育の現実」を知ることができる。もちろんそれを鵜呑みにせず、そこから教育現場の現状を知る本を読み漁ることも可能である。そういう意味で教育の現実を知る最初の一冊としても役立つことができるし、もし情熱を注げるものがない方であってもそのきっかけを得ることができる一冊にもなる。