銀座にはなぜ超高層ビルがないのか―まちがつくった地域のルール


本書のタイトルを見て、ふと「そうだ」と思ってしまった。銀座には数え切れないくらいいったことはあるのだが、高層ビルはあれど、30階以上にもなるような超高層ビルに出くわした記憶がなかった。六本木や新宿、丸の内や八重洲ならいくつか超高層ビルを見かけ、所用で入ったことがあるのだが、銀座ではそういったことが一度もない。本当の意味で「なぜ?」と思ってしまい、本書を手に取った。そのタイトルにある疑問について本書にて解き明かしている。

第1章「銀座とはどんな街か」
そもそも銀座とはどのような街なのかというと、ショッピングや大人の娯楽、さらにはオフィスなどが立ち並んでいる街として知られているが、実際はどうなのだろうか。本章は「東京府」時代における「銀座町」からの歴史を紐解いている。

第2章「大規模開発前夜、90年代の銀座―第一次地区計画「銀座ルール」に策定」
そもそも銀座には人口が存在するのか気になってしまうのだが、冒頭でも述べたようにビルや商業施設を建てられていることにより、住宅が極端に少なくなってしまった。そのことにより人口が右肩下がりとなっていった。それを打開するための「第一次地区計画」が実行されることになり、1998年以降人口を増加するようになっていった。

第3章「二百メートルの超高層ビルが銀座に?―2004年から「銀座街づくり会議」が始動」
こちらも冒頭にて述べた通り、銀座には超高層ビルが存在しないのだが、かつてはそれが建てられる企画があったのだという。その話があったのは12年以上前の話であり、続々と建物の建て替えが始まることにより、超高層ビルが建てられそうになった。それについて危機感を生じた周辺の人々は「全座談会」と呼ばれる会議の団体を発足させ、街づくりに関する会議を行うようになった。

第4章「銀座の声を行政へ!」
その会議で決められたことを行政に届けるためにどのようなことを行ってきたのか、東京都としてよりも銀座のある「中央区」の行政機関に訴えつつ、どのようにして街づくりを行っていったのか、その一つに「同意」が挙げられる。

第5章「新建築は銀座との事前協議が必要に―銀座デザイン協議会の船出」
その「同意」というのは何かというと新しい建物を建てる際に事前に行政との事前協議が必要にしていったことが挙げられる。新しい歌舞伎座への立て直しも事前の協議を経て建て替えられた経緯がある。その経緯は保存・建て替え双方の意見を取り入れながら、行政に頼らないスタイルで建て替えを行ったという。

新歌舞伎座に限らず、銀座の建物の建て替えの際には、事前協議が必要になるほど、建て替えに関する視線が厳しくなった。しかしそれは銀座ならではの特色を活かしつつ、銀座ならではのカラーを活かすことができる街づくりを試行錯誤で形にしてきた記録がここにある。

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