名探偵の証明 蜜柑花子の栄光

「密室館殺人事件」で有名な蜜柑花子の名探偵シリーズの一冊である。今回はその密室館殺人事件に関連する人物からの依頼だった。しかしその依頼を受けた事件は完全に蜜柑花子を試しているかのようなゲームを持ちかけているようだった。まるで犯人たちはそのゲームを嘲笑いながら楽しんでいるような感じで、事件の行く末を見ている。

肝心の蜜柑花子は移動を繰り返しながら未解決事件を紐解いていくのだが、なぜ「移動」をするのかというと事件が起こっている所が全国津々浦々で起こっていることにある。しかもわずか数日で解決しなければならないため、体力的にも強行軍と呼ばれるような移動と解決といったものだった。そのせいか疲労困憊となり病院に行く描写もある。

全体的に見て探偵の推理までの描写は緊迫感があり面白かったのだが、移動や4つの事件それぞれの描写が短かったせいか、真相はどこにあるのかじっくり見ることができなかった。