モンスターの歴史

モンスターというと創作めいたような想像をするのだが、実際にいるのだろうか、本書ではそのモンスターが実在するのか、もしいるとしたらどのような歴史をたどっていったのか、そして現存するのかを取り上げている。

第1章「モンスターと世界の文明」
実際にモンスターは存在しないのだが、怪異と呼ばれる事象の中でモンスターとして取り上げられている文献は存在する。その中には日本における「妖怪」や「幽霊」なるものも存在する。

第2章「モンスターが意味するもの」
そもそもなぜ「モンスター」は存在するのか、そしてモンスターが存在することに何か意味があるのだろうか、本章では描かれている様々なモンスターについて文学的、宗教的な観点から考察を行っている。

第3章「科学的研究の時代へ?」
モンスターは文学や宗教から出てきた幻想のように見えていたが、実在するのかどうか科学的な観点で研究を行い始めたのが18世紀に入ってからのことである。その時からモンスターは実在するのかどうか論じられるようになり始めたのだが、想像におけるモンスターも精神分析や社会の観点から取り上げられ始めるなど、具体的なモンスターの研究が行われたのだという。

第4章「今日のモンスター」
「モンスター」とひとえに言っても、奇形の生物を連想してしまうのだが、人間など良くいる生物の中にも「モンスター」のような本性を秘めている。なぜそういったことを取り上げているのか、そのことを論じている。

モンスターは形のあるものもあれば、想像の産物、さらには内なるものまで存在するという。そのモンスターを総称して歴史とともに紐解いている本は見たことがない。そう考えると結構面白い一冊と言える。