知らないと怖い血管の話

人間の体内循環を担う重要な存在が「血管」にはある。その血管が何らかの異常をきたしてしまうと、高血圧をはじめとした生活習慣病にかかる引き金を患ってしまい、一生背負う病気になってしまう。そう考えてしまうと扱いを誤ってしまうと「怖い」と言えるのだが、その「怖い」といえる根本の要因とは何か、本書はそのことを専門家の立場から分析を行っている。

第1章「「え、まさか」の血管の事故はなぜ起きる」
「血管の事故」とは何かというと生活習慣病の中にある「心筋梗塞」や「高血圧」「動脈硬化」が挙げられる。そのような血管の事故はどのようにして起こるのかそのメカニズムを取り上げている。」

第2章「「中心血圧」で寿命が決まる」
血圧の計測というと「上が~、下が~」というように最高血圧と最低血圧を測り、それで高血圧か、低血圧かわかるのだが、血管の老化・寿命は測ることができないという。その血管の老化・寿命を判別するためには「中心血圧」が必要なのだが、そもそも中心血圧の求め方の基準には何があるのか、そのことについても取り上げている。

第3章「血管からのメッセージ」
血管は老化してしまうと硬くなり、厚くなり、それでいて血液の通り道が狭くなり、動脈硬化を引き起こしてしまう。それが「心筋梗塞」や「脳梗塞」になったり、突発的に「くも膜下出血」を起こしたりする要因にもなる。その血管がどのようなメッセージを送っているのか、そのことを論じているのが本章である。

第4章「塩と高血圧」
よく「高血圧」となると「塩分」の話をリンクする。その塩分がなぜ高血圧、ひいては血管の老化に関係してくるのか、そのメカニズムを取り上げている。

第5章「高血圧のより良いコントロール」
高血圧の患者にはどのような薬が処方されるのかというと「降圧剤」や「利尿剤」がある。前者はそのまま血圧を下げる薬のことを表し、後者は尿を出やすくすることによって老廃物を外に出すことにより、体内の循環を活発にする薬を指している。ほかにも本章ではいくつかの薬を取り上げているが、主だったものとして先述の薬が紹介されている。

第6章「血管を硬くしない生活」
血管を硬くしないことはどういうことか、その一つとしてバランスの良い食事を取り上げているが、その中でも高血圧の予防になる栄養素を中心に取り上げている。

高血圧にしても、動脈硬化や心筋梗塞にしても「生活習慣病」であるだけに、日々の生活習慣を見直すことによって予防することができる病気である。そのことから日々の生活を根本から見直し、改めることにより血管にやさしい生活を送ることができる。本書はその一つの案を提示している。