教養としての認知科学

大学で認知科学を勉強していたこともあり、本書はちょっと面白そうと思い手に取った。そもそも勉強したのが今から10年ほど前になるので、うろ覚えになっている部分もあるのだが、そのうろ覚えになっている部分があることから復習がてら本書を見ていこうと思う。

第1章「認知的に人を見る」
そもそも認知科学とはいったい何なのか、その学問の定義はかなり難しく、思考など目に見えないもの、表情など目に見えるものなど多岐にわたる。その多岐にわたるような内容からどのようにして根本的な情報を取っていけば良いのかを取り上げているのが、認知科学である。

第2章「認知科学のフレームワーク」
その認知科学を知る上でのフレームワークは表情などから読み取る「表象」と呼ばれる情報からどのようにして計算して得ていくのか、そのことについて取り上げている。

第3章「記憶のベーシックス」
記憶にも視覚・聴覚など様々な角度から行うことができる。しかも記憶は時間とともに忘れ去るようなシステムになっている。その記憶をいかにして得たり、無くなったりしていくのか、そのことについて考察を行っている。

第4章「生み出す知性――表象とその生成」
表象から得られる「知性」とは一体どのようなものがあるのか。その表象はどのようなことを物語っているのか、そのことも含めて取り上げている。

第5章「思考のベーシックス」
思考には様々な土台が存在する。その土台とは思考法の中で「帰納法」や「演繹法」といったものもあれば、そのほかにもある思考法にて解を導き出すような人もいる。そのような方々がどのようにして思考をつくっていくのかを取り上げているのが本章である。

第6章「ゆらぎつつ進化する知性」
知性にも進化があり、その進化のあり方は揺らぎつつある。その「揺らぎ」とは一体どのようなものなのか、「ゆらぎ」の原因とともに取り上げている。

第7章「知性の姿のこれから」
知性の姿はどのようにあるのか、そしてその思考と表象とをどのようにして作り上げていくのか、そのことについて取り上げている。

認知科学は奥が深い。もっと言うと情報を仕入れていけばいくほど面白味がある。その面白さの片鱗を見ることができる一冊が本書と言える。