コンビニコーヒーは、なぜ高級ホテルより美味いのか

私自身コーヒーは好きなのだが、コンビニコーヒーはあまり飲んだことがない。もっとも100円で安価なのだが、コーヒーを持ち運ぶのが不便だったというのが大きな要因として挙げられる。数えるほどしかないのだが飲んだことはあるのだが、インスタントコーヒーなどとは違い豆にこだわっているような感じがしてならなかったことは覚えている。本書の話に移る。本書はそのコンビニコーヒーがなぜ美味いのか、そのことを取り上げている。

第1章「コンビニと高級ホテル、コーヒーの価格の差はなぜ生まれるのか」
コンビニと高級ホテルとではコーヒーどころかミネラルウォーターの価格も変わってくる。その要因としては「付加価値」である。味の質などは全く関係ない。しかし著者は「付加価値」ではなく本来のコーヒーの価値・品質とは何かに焦点を置きながら取り上げている。

第2章「まずいコーヒーには理由(わけ)がある」
私自身も「まずいコーヒー」に出会ったことは何度かある。そのコーヒーはどうして「まずい」のかそれには「欠点豆」と呼ばれる存在があるという。その欠点豆がなぜ「まずいコーヒー」をつくるのか、そのメカニズムを取り上げている。

第3章「品質基準を明確にし、品質のピラミッドを作る」
コーヒーにも品質はあるのだが、その品質について「基準」が設けられていないに等しい状況にある。その状況からいかにして改善してくべきか、その方法を提案している。

第4章「なぜ、JALのコーヒーがおいしくなったのか」
私自身JALの飛行機に乗ったことが1度もないため何とも言えないのだが、JALのコーヒーをおいしくしたのは著者自身の貢献だった。そのきっかけはどのようなものだったのかを綴るとともに、最高のコーヒーに仕上げるまで、どのようなプロセスをたどっていったのか、そのことについて取り上げている。

第5章「生産者と消費者は対等なパートナー」
この概念はいわゆる「フェアトレード」と呼ばれるもののように見えるのだが、実際はそうでななく、生産国でもおいしいコーヒーを飲むためにはどうしたら良いかを取り上げている。

コーヒーは奥が深い。その奥が深いものについて伝えながらも、コーヒーをいかにして改善し、なおかつ啓発していくのか日々挑戦している姿を描いているのが本書と言える。