ヘダップ!

サッカーに限らずともスポーツの世界は一見華やかなようでいて、実は厳しくも残酷な世界である。その「残酷」な部分は結果に表れるものもあれば、うわさ話やスキャンダルによって夢破れてしまう人もいる。

本書はその「うわさ話」によってスターロードから外れ、小さなリーグで奮闘する新人サッカー選手を描いている一冊である。

サッカー選手は一見華やかに見えるのだが、トップに立つための努力と闘いの姿がありありと見えている。その過程を経て成長を続けていき、なおかつチームメートとの衝突やつらい体験を経て、試合をつくり、自分を、そしてチームを成長していく姿は青春小説の中の青春小説とも言える一冊である。サッカーを知っている人であればなお面白いが、知らなくても楽しむことができる一冊である。