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2017年2月

大和屋物語――大阪ミナミの花街民俗史

花街というと様々な「遊び」を嗜むことができる場所である。その多くは京都・花街であるのだが、大阪にも花街は存在する。その場所は現在でいう所の「ミナミ」と呼ばれ、かつては「南地」と呼ばれるところである。その南は花街であるのだが、現時点で遊びのできる茶屋は一つのみである。その花街にはかつて燦然と輝く茶屋があった。その茶屋は「南地大和屋」である。その店には司馬遼太郎、三代目桂米朝ら多くの人々に愛された場所 […]

縫わんばならん

「縫う」と一言でいっても、針で布を縫うのもあれば、本書で取り上げる「漁業網を縫う」や「記憶を縫う」といった表現でも用いられる。 「漁業網」の言葉が出てきたのだが、本書の舞台は長崎県にある小さな漁村が舞台である。その漁村に長らく続いている一族が四半世紀にわたって様々な記憶を縫い合わせながら生きていくというものである。 人生には様々な出来事やきっかけがある。それは一族言えど同じことである。その異なる記 […]

闘う楽しむマンション管理

マンションのオーナーとなっている人・企業がいる。たいがいは家賃収入などを利用して投資で稼いでいる人もいれば、代々受けて管理している人もいる。しかしマンション管理は利益が出る反面大変なものであるのだが、それをいかにして楽しいものにしていくのかもまたマンション管理の醍醐味として挙げられるという。その醍醐味とは何かそのことを説明しているのが本書である。 第一章「「管理費」について考える」 ちなみに本書は […]

101人が選ぶ「とっておきの言葉」

「言葉」は強力である。論理的な御託を並べて理解できたとしても心に響くことはほとんどない。しかしたった一つの言葉によって自分自身の人生や考え方を変えてしまうことさえある。その変えるきっかけとなることも言葉一つである。もっとも私自身もそういった心に刺さるような言葉を、本を通して見つけようとしている。本書は様々な場で活躍している人々と、その人の人生を糧となっている言葉を101通り取り上げている。 第1章 […]

民泊ビジネス

昨年あたりから民泊がブームとなり、民泊関係のビジネスも急成長を遂げてきた。本屋に行くと民泊に関連するビジネスもドンドンと出てきた。その民泊ビジネスはどのようにして生まれ、2020年に開催される東京オリンピックに向けてどのような動きを見せるのか、そのことを取り上げている。 第一章「なぜ、ホテルが絶好調になったのか」 「爆買い」という言葉が流行語となった時から外国人観光客が日本に押し寄せるようになった […]

ラブコメの法則

ラブコメと言ったら何とも響きが良く、他にも思わず「ムフッ」としてしまうような感じさえしてしまう。しかしラブ(恋愛)だけでなくコメディの部分もあるので、笑いもほのかにある。そのことから自分自身にとっても好きなジャンルと言っても過言ではない。 さて本書であるのだが、そのラブコメの世界に映画でもって進出しようとするある映画監督を描いている。しかしその映画監督は、恋愛事は全くと言ってもいいほど疎く、その証 […]

出版大崩壊

出版の世界は日々刻々と変化を遂げている。その変化の中には「電子書籍」があるのだが、その電子書籍は思っている以上に伸びはないものの、浸透していることに変わりはない。その電子書籍が話題となったのは今から7年前、ちょうどiPadが出てこようとしたころであり、様々なメディアが電子書籍に注目を集め始めたときである。その時には新しいマーケットを求めて続々と電子書籍の世界に進出する人々がいた。著者もその一人であ […]

ロック・オブ・モーゼス

私立高校に通う女子高生がロックの道に目覚め、天才ギタリストとして活躍を遂げる物語である。そのギタリストはある目立たない女子高生を見つけ、ギターを勧めた。その女子高生は瞬く間にうまくなり、やがてはプロのバンド活動をするようになっていった。 そこからプロのミュージシャンとして辛酸を舐め、成長を続ける日々が始まるという作品である。バンド活動をする女子高生を描く作品はいくつもあるのだが、ある意味ハチャメチ […]

雇用身分社会

雇用形態における「身分」があるのだという。それは一体どのようなものかと考えていくと、最近では「正社員」「契約社員」「派遣」「アルバイト」「パート」「嘱託」など会社の従業員と一括りにしても多種多様な種類が存在するという。しかもその多種多様さが差別を生み出しているというが、その理由を本書にて指摘している。 第1章「戦前の雇用身分制」 「雇用身分」は戦前の頃から存在した。何かというと「職工」と呼ばれる工 […]

ドール

「愛」の形は人それぞれであるが、その「それぞれ」の中にはひどく歪んでいるものも存在する。その存在する「歪み」が本書に表れている。 その歪みとはいったい何なのか、そして誰から来ているのかというと、本書はある「少年」から来ている。その少年はある少女が好きになった。しかしその「好き」は単純な恋愛よりも、自分自身のもの、つまりは「ドール(人形)」にしたいが故の「好き」である。 その「好き」は物語が進んでい […]