ハッブル 宇宙を広げた男

私自身本を読むときは色々あるのだが、夜になると結構はかどりやすい。最もそういった性質なのかどうかはわからないのだが、なんとも落ち着く時間とも言える。その落ち着く時間は夜空がキレイで星々も映る。特に冬の時期は空気が澄んでいて、星がはっきりと見える。

星といえばそれを観察する際に使うのが望遠鏡。その中でもとくに有名なものとしてはハッブル宇宙望遠鏡がある。その望遠鏡にある「ハッブル」は本書で取り上げる人物の名前である。ハッブルはいったい何をしたのか、その生涯とともに取り上げている。

第1部「生い立ちと青春」
ハッブルの本名はエドウィン・パウエル・ハッブルであり、1889年に生まれた。ハッブルは恵まれた家系に生まれつつ、類まれな才能でエリート街道を突き進んでいった。その中で天文学に目覚め、天文学への道を歩み始めた。

第2部「アンドロメダ銀河の謎」
その天文学を学ぶ中で望遠鏡計画などを上げるようになっていった。しかしその中で様々な失敗や挫折を繰り返してきた。その中で結婚や様々な人との出会い・別れもあった。その論争や挫折などを繰り返してきた部分を取り上げている。

第3部「宇宙は膨張している!」
研究を続けていく中で、アンドロメダ大星雲や銀河に関する研究も進めていったが大きな「出会い」があった。その一人として相対性理論を生み出した天才アルベルト・アインシュタインの出会いがあった。その出会いによって今日まで残る有名な「ハッブルの法則」を生み出した。

第4部「巨大望遠鏡と、20世紀最大の天文学者の挫折」
宇宙理論を取り上げていった一方で、大きな論争を生み出していった。さらに論争とは別の「争い」がハッブルを巻き込んでいった。「第二次世界大戦」である。争いがハッブルを疲弊させ、戦争後は様々な期待外れの出来事が起こる。また宇宙望遠鏡を開発しながら、夢敗れる出来事があり、そして逝去した。

第5部「観測的宇宙論の展開」
ハッブルが遺した「宇宙」とはどのようなものなのか、ハッブルが亡くなった後、宇宙理論がどのように成長していったのか、そのことを取り上げている。

ハッブルが遺したものは非常に多く、今日でも存在するものも少なくない。しかしそれは様々な「争い」や試行錯誤を繰り返してきた中で出てきた結晶とも言える。その照明となるのが本書である。