縫わんばならん


「縫う」と一言でいっても、針で布を縫うのもあれば、本書で取り上げる「漁業網を縫う」や「記憶を縫う」といった表現でも用いられる。

「漁業網」の言葉が出てきたのだが、本書の舞台は長崎県にある小さな漁村が舞台である。その漁村に長らく続いている一族が四半世紀にわたって様々な記憶を縫い合わせながら生きていくというものである。

人生には様々な出来事やきっかけがある。それは一族言えど同じことである。その異なる記憶が「点」であるならば、もとをただすと「線」になり、その線が「面」となっていく。その面となった時に縫っていった記憶はどのような形になっていったのかを描いている。

記憶とは難しいものである。一人一人、そして何年も記憶を探し、それを縫い合わせることの大変さ、そしてその記憶がいかにして自分自身に向かっていくのか、そのことを描いているのが本書と言える。

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