つめ

「つめ」と言うと「爪」を連想してしまうのだが、本書はむしろ「詰め」と言った方が世良いのかもしれない。と言うのは動物を相手取った戦い、それは周りの人間を巻き込んで真実を突き詰めていく、その意味での「つめ」と言ってもよいのかもしれない。

本書の舞台はとある住宅地であるのだが、その住宅地は一戸建て・集合住宅が集まっているのかどうかはわからない。ただわかるのは周囲の中には「モンスター」と呼ばれるような人がいる。もっとも実物的なモンスターと言うよりも理不尽なクレームを周囲にまき散らすという「モンスター●●」といった方が良いのかもしれない。

そのモンスターと闘いながらひたむきに生きていく主婦をはじめとした家族たちはどのような結末を迎えたのかを描いているのだが、現在の近所事情を鑑みると真実にも聞こえる部分もある。エキセントリックな部分はあるものの、それでも現在の状況を諷刺する所は何とも痛快で、なおかつ面白い。