沸騰! 図書館―100万人が訪れた驚きのハコモノ

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著者は今でこそいくつもの会社を起業・経営する実業家だが、かつては佐賀県武雄市の市長として様々な改革を行った。斬新な発言・手法で賛否両論を呼び起こしたのだが、まさに「革新的」と呼ばれている主張だった。その賛否両論と呼ばれるようなことは以前当ブログにてとりあげた「首長パンチ」でも書かれていたのだが、どんなに叩かれてもめげずに、ひたむきに改革に挑む姿があった。その産物の一つとして「武雄市図書館」があったのだが、史上初の「TSUTAYA図書館」だった。この図書館も蔵書など様々な観点で賛否両論を呼び起こした。その図書館がどのようにして出来上がったのか、当事者の観点からそのプロセスを振り返っている。

第1章「閉館図書館と呼ばれて」
「TSUTAYA図書館」となるまでの武雄市図書館は閉鎖的だった。もっとも「お役所仕事」の一つとして挙げられており、閉鎖的だったことは著者の主張であるが、自分自身もかなりの頻度で利用している立場からすると「市立」「県立」といった面を考えると「お役所」と呼ばれるが著者が感じたところとして悪い意味でとらえられたのかもしれない。

第2章「TSUTAYAを口説く」
それを打開しようと考え着いたのがTSUTAYAとの提携である。武雄市長として2期目にあたる2011年にとある番組でTSUTAYAの社長が出演する番組を著者が視聴した。またその中で代官山にある蔦屋書店に訪れたその中でTSUTAYAの社長と面会することがあり、蔦屋書店に感銘を受け、図書館を提携することを持ち掛けた。TSUTAYAの社長は二つ返事で了承を得てすぐに動くことになった。

第3章「大荒れ議会と大荒れネット」
早速案を持ちかけたが行政はカメのごとく動くありさまだったが、ようやくより良い図書館とするために基本合意まで至ったが、その後も議論は荒れに荒れた。祖の在れた議論の中でどのようにTSUTAYA図書館に向けて動いたのかを取り上げている。

第4章「新図書館攻防戦、土壇場まで」
荒れに荒れた議論は図書館ができるまでもあった。しかもその中には議会のみならず議会外でも起こり、フォーラムでも司書や外部の反対派たちが起こるいわゆる「アウェー」の様相を見せた。しかし市長の懸命な説得でもって味方に転じる人々もいた。

第5章「図書館に街が誕生した!」
そして新しい「TSUTAYA図書館」がオープンした。市長自身も「受け入れられるかどうか」の不安はあったものの、想像以上の来場者数となり、なおかつ武雄市への観光客も増えていった。もちろんオープンしてからの問題も数多くあり、その問題を解決する道のりは現在進行形で行われている。

図書館のあり方とは何かというと考えてしまうのだが、それ以前に図書館は数多くの人に本を楽しめるようになる「場」である。それを斬新な考え・手法でもって切り拓いたのが著者と言える。著者は行政の長から実業家になったのだが、「切り拓く」考えと力はビジネスの世界で生かしているのかもしれない。

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