辞書を編む


三浦しをんの「舟を編む」という小説がある。本屋大賞を受賞した作品であり、昨年の10月~12月にアニメ化された作品であるのだが、もっとも辞書の編纂を舞台にしており、辞書をいかにして作成していくのかがよくわかる一冊だが、実際に辞書編纂の現場はどうなのか、実際に「三省堂国語辞典」の編纂に携わった著者自身が明かしている。

第1章「編集方針」
辞書の編纂にはそれぞれの会社・辞書の「方針」がある。辞書を編纂するための基本的な考え方からどのような言葉を集めて辞書に仕立て上げるのかを取り決めておく必要がある。この方針がないと実際に辞書はつくれない。

第2章「用例採集」
方針をもとに言葉と実例を集めておく必要がある。その必要のある実例をいかにして集めるのか、様々な文献などから用例を取り言える必要がある。このことを「用例採集」であるのだが、実際にどのようにして採集するのかについても言及している。

第3章「取捨選択」
単語や用例を最終したら、今度は辞書に収めるように取捨選択をする必要がある。もっともこの取捨選択がもっとも時間と根気のいる作業であり、不採用となるような単語・用例も数多くあるという。改定の際にも新たに単語を入れたり、既存の単語にも新しい用例を入れたりする際にもどのような取捨選択を行うかもまた「方針」が基準になるという。

第4章「語釈」
一つ一つの言葉の解釈をどのようにしていくか、それを「語釈」と呼ぶのだが、その解釈の方法をいかにしてなすべきか、辞書の精度を上げるためにはどうしたら良いかを取り上げている。

第5章「手入れ」
最後は仕上げとして「手入れ」が必要である。その手入れについて言葉一つ一つ、用例や語釈などを洗い出しながら、国語辞典に仕立て上げていく、その最後のプロセスを取り上げている。

第6章「これからの国語辞典」
今となっては電子辞書を含めて多種多様な辞典がある。もっとも国語辞典とは何か、そしてどのような役割を持っているのか、国語辞書の「これから」を編纂に携わった立場から述べている。

辞書はどのような観点で作られていくのか、編纂の立場から知ることができ、なおかる辞書の可能性と面白さを見出すことができた一冊である。

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