悲しみの乗り越え方

悲しみはどこにでも存在する。人の死もあれば、悲惨な災害や事件などが挙げられる。その中でも本書が出版された2011年には「東日本大震災」といった大きな「悲しみ」があった。そこから先の2016年にも「熊本地震」という悲しみがあり、歴史の中に大きな「悲しみ」が存在する。その悲しみをいかにして越えるべきか、その方法を伝授している。

第一章「“喪失の積み重ね”としての人生」
大切な人・ものを失うことは大きな「悲しみ」を伴う。その伴う中で心身ともにどのような影響をあたえるのか、そしてケアはどうなっているのか、今から12年前に起こった「JR福知山線脱線事故」をモデルケースに取り上げている。

第二章「人生の選択肢を失う悲しみ」
人生の選択肢は多岐にわたるのだが、その多岐にわたる中で選択肢を失うような出来事が存在する。その存在する中で失うことにおける「悲しみ」があるのだが、その悲しみはどのようなものか、そして乗り越えるためにはどうしたら良いのかを取り上げている。

第三章「愛するいのちを失う悲しみ」
愛する「いのち」を失うことは何物にも代えがたい悲しみを背負うこととなる。先日も十一代市川海老蔵の最愛の妻であるフリーアナウンサーの小林麻央が逝去した。その悲しみは海老蔵本人のみならず、歌舞伎・メディア問わず多くの人々が哀悼した。
愛する人を失うことは私自身もいくつか経験しており、これからも経験するかもしれないのだが、その中でどのように乗り越えた方が良いか、心構えを中心に取り上げている。

第四章「自らの死といかに向きあうか」
人は必ず死ぬ。もちろん「死」を思うことは四六時中ではないものの、1か月に数回ほどはある。自分自身の死に対してどのように向き合うのか、そのことを取り上げている。

第五章「悲しみを前にした私たちの孤独」
悲しみの中で伴うものとして「孤独」がある。この孤独はどのような感情をもたらすのか、そしてその孤独を持ってうつや貧しさを負うのか、そしてそれを乗り越えるための方法を取り上げている。

悲しみは誰にでもある。その悲しみを乗り越えて人は成長していくのだが、それには必ずと言ってもいいほど痛みや葛藤が出てくる。その両方をいかにして乗り越えていくか、その指針が示されている。そのことを考えると今、そしてこれから悲しみを迎える人にとってのバイブルとなり得る。