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2017年8月

天下人の父・織田信秀――信長は何を学び、受け継いだのか

戦国時代を代表する人物の一人として織田信長がいるのだが、その信長の父に「織田信秀」がいるのだが歴史上の人物ではあまり明るみに出てこないのだが、織田信長を語る上で最も重要な人物の一人である。なぜ重要な人物なのか、そして信秀は信長に対し、どのようにして伝えていったのか、そのことを取り上げている。 第一章「織田信秀の台頭」 元々織田氏は尾張国(現在の愛知県)に属しており、そこで長年にかけて国力を高めてい […]

「奇跡の自然」の守りかた―三浦半島・小網代の谷から

私自身も神奈川県に住んでいるのだが、その中にはマグロや牛肉の名産地である三浦半島がある。その半島は自然豊かであるのだが、その中でも「小網代(こあじろ)」と呼ばれる場所は自然の中でも「奇跡」と呼ばれる「谷」があるという。その発見と観光名所、そして自然保護の場所として扱われるまでのあらましを取り上げているのが本書である。 第1章「奇跡の流域「小網代」を発見! 1983~87」 様々な自然を追って、津々 […]

おしゃべりな貝―拾って学ぶ海辺の環境史

「私は貝になりたい」という作品を思い出した。もっとも映画やテレビドラマなど様々な作品で展開していったのだが、元々はBC級戦犯となった加藤哲太郎が遺書として遺した「もう人間には二度と生まれてきたくない。生まれ変わるなら、深い海の底の貝になりたい」と書かれたことがきっかけである。理不尽さも何もなく大人しく住む貝でありたいという願いから書かれたのだが、もっとも「貝」はおしゃべりであるという。 考えていく […]

「ひと粒五万円! 」世界一のイチゴの秘密

本書のタイトルを見てびっくりしてしまった。もっとも果物にしても野菜にしても単価が「五万円」というのもなかなか珍しいのだが、本書の中には「五万円」で済まされないような果物まである。その果物はなぜつくられ、人気を呼んでいったのか、そのことを取り上げている。 第一部「「ひと粒五万円のイチゴ」美人姫」 なぜ高級なイチゴをつくり、なおかつ人気を呼んでいったのか、そこには「農協」の存在がある。ただしポジティブ […]

失踪者たちの画家

とある画家が行方不明となった恋人を探すために様々な所へ行き着き、数奇な運命や出来事に遭遇するというものである。ミステリーでありながらも、監獄や人形工場など奇怪な場所を転々としながら恋人を探し出すという。 しかし「ただ探すだけ」の物語とは違い、読み進めていく内にめまぐるしく舞台が変わっていく。先述の奇怪な場所もあれば、風景や「都市」も変化しており、なおかつ恋人を探す主人公ならではの「孤独」もありあり […]

タクシーほど気楽な商売はない! あなたにも今すぐ始められる悠々自適の年収800万円ライフ!

タクシーに関する本はいくつか読んだことはあるのだが、タクシーの現状、と言うよりも「窮状」を訴えるような本が多かったように思える。 しかし本書は違う。タクシー運転手の仕事は気楽で面白く、なおかつ稼ぐことが出来るというポジティブな内容が盛りだくさんの一冊である。もっともタクシー運転手をポジティブに取り上げた本は今まで全くと言ってもいいほどなかった。本書はタクシー運転手の良さ、そして稼ぐテクニックを余す […]

ポースケ

小説はスリリングさもあれば、ふわりとした感じのある作品まで存在する。その存在する中で本書はどのような立ち位置なのかというと後者にあたる。もっともミステリーの要素はないのだが、アットホームさが溢れており、なおかつ登場人物それぞれの生き方がありありと分かるようにつくられている。つくられているからでこそ、個性が出て、物語の面白さを引き立たせる。 それぞれの「優しさ」を持ち合わせながらも、女性ならではの「 […]

ディズニー「感動」のプロフェッショナルを育てる5つの教え

私自身ディズニーにはこれまで一度も行ったことがなかった。しかし今年の2月、縁あって知り合いと東京ディズニーシーに行くこととなったのだが、本や周囲の方々の話を聞いたとおり、かなりの「非日常」を味わうことができた。その中でもディズニーにしか味わえない「感動」が所々にあり、「行ってて良かった」という気分になれる。 そもそもディズニーでは従業員(ディズニーでは「キャスト」と呼ぶ)の教育や提供をいかにして行 […]

うめ婆行状記

「家族」はいつの時代も必要なものである。それは国・地域、さらには時代に至るまでほぼ共通する大切な要素である。もっとも家族がなければ子どもが生まれることは滅多にないし、育つこともままならないのである。 その家族を支えていくのは様々であるのだが、日本では父親が支えることが主であった。しかし本書は奉行所同心に嫁いだ女性が、最愛の夫を失い、一人暮らしをはじめ、一肌脱ぐために新たな生活を始めるというものであ […]

朝採りの思考 -シンプルな目を育てる

「朝採り」とは、 「農作物を朝に収穫し、その日のうちに店頭に並べて売ること。また、そのような農作物」(「コトバンク」より) を指す。もっとも新鮮味という意味では農作物でもアイデアや考え方でも同じ事が言える。その理由として脳の働きが最も活発になるのは朝であり、朝起きてから、昼ご飯を食べるまでの間は交感神経が活発に動いており、アイデアを生み出したり、物事を整理したりするのに最適だからである。 そういっ […]