信じる覚悟 超訳 西郷隆盛

著者の鈴木様より献本御礼。
西郷隆盛を敬愛する人は歴史上の人物を含めても数多くいる。有名どころでは坂本龍馬、島津斉彬、勝海舟、さらには頭山満もいる。特に頭山は若かりし頃、西郷没後に西郷隆盛の旧宅に訪れ「西郷先生の身体は死んでもその精神は死にません。私は西郷先生の精神に会いに来たのです」と残したのは今もなお有名な話である。

その西郷隆盛の言葉・思想はまさに「信」という文字の一つに限るのだが、そもそも西郷隆盛の重んじた「信」とは何か、西郷の生涯、思想などを元にして紐解いている。

1.「天に恥じない生き方を選ぶ」
西鄕隆盛の言葉の中で最も有名な者として「敬天愛人(けいてんあいじん)」がある。これは「天を敬い、人を愛する」と読み、本章のタイトルにある「天に恥じない生き方」にも収斂している部分がある。人を愛しながら、そして天に対してどのように振る舞い、生きるのかを取り上げている。

2.「美しい人になる」
美しいとひとえに言っても身なりのことを言っていない。本章で言う「美しい」は言うまでもないのだが、心や考え方、振る舞い、生き方など内面的な部分における「美しさ」を提示している。もちろん「天」や「愛」と言ったものを基軸にしている。

3.「上に立つ者の覚悟」
西郷隆盛は薩摩のトップ、明治時代には軍部のトップ、そして西南戦争でも指導者として、幕末から明治初期に架けて常にトップで人の背中を押し続けた。もちろん西郷隆盛にもトップであるための「覚悟」を持っており、そのことで軍を率いたり、朝鮮半島のトップと会談したりと、ありとあらゆる分野で活躍し続けた。

4.「大業を成す人の法則」
大きな業を達成した人物としても挙げられる人物として西郷隆盛がいる。もっとも倒幕もあれば激動の明治維新を牽引してきたと言われているのだが、そもそもそれらの大業を達成するためにはどのような心構えが良いのかそのことを取り上げている。

5.「社会を照らす志を持つ」
社会を照らすためにはどうしても「志」が必要である。その必要である志とはいったい何か、そして国を強くするためにはどうしたら良いのか、西郷隆盛自身が行ってきたことをもとに取り上げている。

6.「未来、その先へ歩み続ける」
人に愛され、成長する、あるいは成功するために未来のために現在を収めることが大切であるのだが、その中でも「未来」はどう見据えるべきなのかそのことを示している。

信じることは必要なことであるのだが、その信じるためにはどうしたら良いのか、そして「信じる」を通じてどのように成長し、成功して行くにはどうすべきか、そのことが西郷隆盛の言葉に詰まっている。