暴力団の行方―消滅、マフィア化、それとも…

暴力団に対する取り締まりはいつものように行われているのだが、最近では暴力団は縮小化もあれば、日本最大の暴力団である山口組も「神戸山口組」や「任侠団体山口組」といった形で分裂することとなった。私たちの生活に実害を被っているのかというと、少なからず存在する。暴力団によってはカタギと呼ばれる人たちにも平気で攻撃をするような所。人もいる。しかし暴力団はいったいどうなっていくのか、そもそも私たちの生活の中で暴力団の存在とは何か、本当になくした方が良いのかまで言及している。

第一部「暴力団の行方」
暴力団への取り締まりは今に始まったことではないのだが、ここ4~5年ほど前から取り締まりが強化されている。もっとも企業としてもコンプライアンスとして暴力団などの反社会勢力との接触を禁止するとうたう会社も少なくない。
もっとも暴力団も最近では構成員が少なくなってきているのだが、アウトローに鳴ったとしても暴力団に入ると言うような人も少なくなっている。そもそも組に適しているかどうかもふるいにかけられており、なおかつシノギと呼ばれる稼ぎも少なくなっていることにあるという。

第二部「現場からの提言」
著者が言う「現場」は警察・司法と言った組織である。そのため暴力団は撲滅すべきと言うのが著者の考えであるのだが、そのためには警察や司法などの改革が必要であるという。もっとも取り締まりを行ったことによってアウトローが完全になくなると言うわけではない。暴力団が少なくなってきている代わりに「半グレ」と呼ばれるような集団まで誕生している。また半グレ勢力を撲滅に向かって動くと、また違った勢力が生まれると言ったいわゆる「イタチごっこ」の様相を見せてしまう。そのことを踏まえて暴力団はどうしていくかが必要になる。

暴力団は必要悪なのか、もしくは絶対悪なのかというと警察や司法から見たら「絶対悪」であるとも見える。その一方でメディアはどうなっているかというと、メディア、あるいは論者によっても異なる。そもそもなぜ暴力団が生まれたのか、そしてどのような存在か、そのことについてもっと言及して両輪で考えるようにした方が良いのかもしれない。