ニルヤの島

生体映像の技術が発展し、人生をコントロールが出来るようになったのだが、その中には死後の世界があるのか。そこには倫理や宗教など哲学的な概念が飛び交いつつも否定的な思想を持つ者もいた。

本書の舞台は近未来であるのだが、場所がミクロネシアである。なぜミクロネシアなのかというのは本書の中にも物語として言及されており、興味深い。

もっともSFミステリーでありながら、「死生観」と言うものを考えさせられる一冊であった。冒頭にも述べたように哲学や宗教と言った概念以上に、自分がもし死んだら、そして死後の世界はどうなるのか、本書でも言及はしているのだが、結論は読者に委ねられているところに面白味がある。

読み手に委ねられながらも、読んでいくうちにも色々と考えさせられる絶好の一冊であった。