少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語

ただでしがない大学生がある少女との出会いによって生活が一気に急転するという物語である。その少女は本書のサブタイトルのような「屋根裏」に住んでおり、なおかつ少女の巡り合わせによって、大学生活はもちろんのこと、少女との距離もあり、青春が広がっていくように見える。

もちろん青春は小中校生特有のものではなく、大学生以降も充実したことを送ることができればたとえ壮年・老年であったとしても青春を送ることができるようになる。そのことを証明づけたような一冊である。

奇想天外な組み合わせと物語のように見えるのだが、中身は青春であることがいかに大事なのかがキーポイントとして表れている。もしも自分自身に何か刺激が必要だと思った方、あるいは満たされないものがあると思っていたら本書を手に取って読んだ方が良い。今までの自分の中に忘れていた「青春」に気付くことが出来るからである。