三途の川の七不思議

人は死ぬと三途の川を経由して死の世界に旅立つと言われている。もっとも三途の川は宗教的な観点で見られることが多く、古くは中国大陸にてつくられたお経から始まっている。もっとも三途の川というと「死」を連想づけられるのだが、著者はその三途の川について医学的な観点でメスを入れた。

第1章「「三途の川」とお花畑の不思議」
お花畑というと頭が理想ばかりで浮き足立ち、なおかつ現実を見ない人のことを表しているのだが、これは政治思想的な蔑称で、本章においては死後の世界を表している。もちろんお花畑のないような阿鼻驚嘆溢れる「地獄」の世界を想像する人もいれば、全く何もない真っ白な世界を想像する人もいる。方やお花畑となり、良い世界を想像づける人もいるのだが、なぜ死後の世界はお花畑となるのか、「臨死体験」をした人の中にはそういった体験をしている人がいる。なぜそういったことが起こるのか検証するとともに臨死にならないための対策についても取り上げている。

第2章「意識は消えても、愛の絆は永遠に」
なんともロマンチックなタイトルであるのだが、著者自身も医師のため、愛の絆を物語らせるような医療的な出来事が数多く存在したという。ニュースにもあったように恋人や最愛の人を失ったそのすぐ後に後を追うように亡くなるといったこともあれば、ご両人がともに意識を失うと言った子音があるのだという。

第3章「三途の川の岸辺で現れる死の兆候」
もちろんその三途の川を渡る直前に助ける役割は医療の役割である。その助ける線引きはどこまで行われるのか、三途の川を渡らせないために医療の現場は何をしているのかを表している。

三途の川を渡るというともちろん「死」を意味しているのだが、医療的にその死をいかにして避けられるのかも検証すると共に医療的な面で「三途の川」を分析するのはなかなか画期的だったように思う。宗教を学んでいる、あるいは医療を学んでいる人であれば少しあそびとして持ったり読んだりしていると幅が広がっていくように思う。