妥協の政治学 イギリス議会政治の思想空間

政治は妥協の産物であると言う言葉をどこかで聞いたことがある。もっとも政治を行うために様々な議論を通して落としどころを見つけ、そこに行き着くためにまた議論を重ねていく。もちろん思想には右左、あるいは保守・革新などの対立があり、その対立でもって議論を積み重ねていく。その中で妥協が生まれるのだが、そもそもなぜ妥協を生み出し、それが政治として司っていくのか、そのことを取り上げている。

第一章「「自由な統治」とイギリス国民」
イギリスはかつて王室(特に国王か女王)の絶対王政を敷いていたのだが、革命により議会政治へと変化していった。その議会政治の中で内閣がつくられ、専制政治をおこなうことができるようになっていった。

第二章「選挙と世論」
議会政治を行うことによって選挙や世論が動くようになる。その世論はどのような変化をもたらし、イギリスにおいての選挙はどうなっていったのかを取り上げている。

第三章「政党・議会・内閣」
イギリスには政党ができ、議会ができ、なおかつ内閣ができていった。もちろん日本でも同様のことであるのだが、そもそもそれらがイギリスで誕生した要因とは何かを取り上げている。

第四章「妥協の政治学」
政治は妥協の産物である。対立する思想や主張をいかに議論をして妥協を生み出していくのか、そのことを取り上げている。

政治は妥協の産物と言えるのだが、そもそもなぜ妥協がつくられ、着地していくのか、それが議論はどのようにして発展していくのかを知ることができる一冊である。