百貨店とは

子どものころ当たり前にあった百貨店であるのだが、年に1回、故郷に帰省するといつの間にやら少なくなり、昨年末には1つもなくなってしまった百貨店。子どもの頃にいくつかの百貨店に通ったこともあり、思い出もけっこうある。

しかし私の故郷に限らずとも多くの百貨店は閉店や撤退が相次ぎ、その反面複合のスーパーやショッピングモールができてきている。そもそも百貨店はどのような存在なのか、どのような栄枯盛衰があったのか、百貨店にまつわる色々を論じているのが本書である。

第一部「百貨店の歴史と信頼性の秘密」
百貨店の多くの母体は「呉服店」と呼ばれていた。今で言う所の「服屋」「アパレルショップ」と言った所である。そこから服に限らず帽子・雑貨など多岐にわたる展開を見せ、それが百貨店となっていったのだが、そもそも「百貨店」の名前はフランス・パリからでき他ものであり、そこでは多岐にわたる流行品を扱ったことからそう名付けられた。19世紀後半頃、日本で言う所では明治維新が行われた前後の話である。

第二部「百貨店おもしろ話―百貨店「顧客満足」」
日本にて有名な百貨店を挙げると「大丸」「松坂屋」「三越」「そごう」「伊勢丹」「阪急」「阪神」などが挙げられる。もちろんそれぞれに個性があるのだが、そもそもなぜそれらの百貨店が創られ、展開していったのかを取り上げている。

第三部「百貨店の今後のために」
百貨店の現状は芳しくない。その芳しくない要因としてバブル崩壊による低成長化と、ショッピングモールやアウトレットモールなどが次々とでき、商業形態の変化に対応できなくなる百貨店が続出したためにある。もちろん生き残っている百貨店も存在するのだが、高級志向など様々な志向に併せた形に変化をしていることが挙げられる。

百貨店は今岐路に立たされている。その中で百貨店もまた様々な変化を起こしているのだが、その変化は百貨店にどのような進化をもたらすのか、自分自身も百貨店に行くことがあるのでその行く末を見届けていきたいと思う。