世の中が見えてくる統計学

私自身大学時代、統計学を専攻してきた。大学を卒業して来年で10年経つのだが、統計に関する知識はある程度残っている。もっとも統計を取ることによって見えてくる世界も結構変わってくることもある程度知っている。

話は変わるが、統計学についてはビジネスでも注目を浴びており、統計に関するビジネス書が続々と出てくる。もっとも統計学は数字の羅列のように見えるのだが、そのすうじでもって見えてくるものもある。本書はその統計学から見てどのような用の中となっているのか、そして統計学の「見方」とはいったい何かを追っている。

第1章「ゼロだけどゼロではない―数字をめぐるあれこれ」
統計でも商売でも「ゼロ」という数字はけっこう目につく。そもそも「ゼロ」は本当に「ゼロ」なのか、そしてその「ゼロ」は別の意味があるとしたらどのような意味があるのか、そのことを取り上げている。

第2章「その数値は本当に全体を示しているのか」
統計的な数字を全て見渡すと「全体」を表しているとされているのだが、果たしてそれは「全体」を示しているのかというと首を傾げてしまう。もっともその「全体」とは何を定義していくのか、そしてその全体から隠れた数字がある理由についても併せて論じている。

第3章「わかりやすくだまされやすいグラフと表」
統計における数字は分かりやすいのだが、そのわかりやすさが故に騙されやすい部分がある。統計もまた万華鏡のようである。それは見方・統計の材料・取り方を元にして解釈が変わってくるからである。

第4章「統計学の基礎のキソ」
では統計学とはいったい何なのか、その基礎としてどのような「統計」があるのかを知る必要がある。もっとも統計や数字の羅列であるのだが、顕在している数字や希望的観測のある数字と言ったものがあるという。

第5章「調査とランキングの意味」
調査を行うとなるとランキングなどの数字の順番があるという。その順番はいったい何を意味しているのか、そしてランキングは一喜一憂するだけでなく、意味しているものとは何かを取り上げている。

第6章「健康問題から基準を考える」
健康的な基準はもちろん数値化しているのだが、健康診断においてどれが健康状態なのか、そして異常なのかも数字面から管理されている。その管理されている数字は果たして健康を意味しているのかというと、必ずともそうとは限らない。

第7章「専門分野を統計から探る」
ビジネスに限らず、様々な場で「統計」は使われている。その統計で以て色々な問題の本質が見えてくることもあれば、思いも寄らぬ原因が見えてくることもある。その見えてくる中で統計の使い方も考えていくことが大切である。

統計は色々な観点がある。その観点をいかにして見ていけば良いのか、作っていけば良いのかそれを考えるきっかけとなるのが本書である。