虹の向こう

本書のタイトルを直接英訳すると「Over The Rainbow」とある。もちろん表紙にも記載があるのだが、「オズの魔法使い」を連想するようなタイトルである。

本書は4編の短編小説である。その短編は一つ一つ本書のタイトルの一部、それにも似たようなタイトルが並んでいる。

ミステリー作品が4つあるのだが、いずれも謎の解き方が明快でありながらも、一気に読め、なおかつ一つ一つがつながっていないながらにしても、それぞれ異なる事件・謎が出てきては解決するような繰り返しである。しかしながら短いページながらも爽快感のある展開と構成はミステリーの中でも群を抜いている。それぞれのシチュエーションを持ちながらも展開がクセになり、ミステリーと言うよりも著者の紡ぐ物語の面白さを引き立たせる。