箸はすごい

あけましておめでとうございます。本年も「蔵前トラックⅢ」をどうぞよろしくお願いいたします。新年一冊目の本は少し正月というかそれに近いような内容の本をお送りいたします。

年始に食べるものとして雑煮やお節がある。最も年末にはそれをつくるためにひたすら料理し、三が日はそれをゆっくりと食べながら過ごすこととなる。最もその料理を嗜むものとして箸がある。それに限らず日本料理などでおおく「箸」を使うことがあるのだが、その箸の起源と文化はどのようななものか、その歴史と文化について考察を行っている。

1.「なぜ箸なのか。その起源と初期の役割」
元々「箸」がつくられ始めたのはいつ、どこの国なのか。中国の研究チームが江蘇省にある所に紀元前6600~5500年ほどと推定される箸の化石が出土された。あくまで化石の推定年であるため本当にその時代かどうかは定かではないのだが、中国大陸から生まれた可能性が高いと証明できる史料となる。さらに「箸」はなぜこの漢字だったのか、そのことを取り上げている。

2.「おかず、ごはん、麺」
箸はものを取ったり、食したりするようなことができる。箸で以て食べるものとして本章のタイトルにあるような料理なのだが、他にも一口大に切るといった役割もある。西洋ではナイフ・フォーク・スプーンなどがあるのだが、箸はその中でもナイフ・フォークの両方の役割を担っていると言っても過言ではない。

3.「箸文化圏の形成」
箸を使う文化は中国・日本・朝鮮半島などアジア圏にあたる国々が使われていた他のだが、どのようにして伝来していったのか、どのように広まっていったのか、そのことを取り上げている。

4.「箸の使い方、習慣、作法、礼儀」
箸の使い方についても文化や作法、さらには国々の習慣がある。中国・日本などそれぞれの習慣とを比較しながら考察を行っている。

5.「分かちがたい一対の箸」
一対の箸は分かちがたいとしている。なぜそう結論づけたのか、そこにも文化や習慣の違いがあるという。そのことについても取り上げている。

6.「世界の食文化に箸が橋渡し」
「箸」と「橋」は異なる漢字だが、連結することができる。著者自身もそのことを言及しており、なおかつどのようにして築いていくのかを追っている。

「箸」の文化はアジアを中心に広がりを見せているのだが、思っている以上に長く、思っている以上に深い。だからでこそ「すごい」と評しているのかも知れない。

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