いびつな絆 関東連合の真実

日本には「アウトロー」と呼ばれるような集団はある。方や暴力団、方やマフィア、そして本書にて語られる暴走族である。本書はかつて存在した日本最大の暴走族集団として名を馳せ、衰えた時もOBらが様々な関わりを持つことができたという。その関東連合はなぜ日本最大となり、OBらが様々な出来事に影響を及ぼすようになったのか、そのことを取り上げている。

第1章「六本木クラブ襲撃事件」
この事件は今から5年前の9月2日に起こっており、客が殺され、19人の逮捕者が出たという集団暴行事件である。なぜ集団暴行に至ったのか、そのほかにも類似事件が起こっているのだが、その関連性も含めて考察を行っている。。

第2章「歓楽街のギャングスタ―」
関東連合は六本木や西麻布を中心に関東の歓楽街を席捲したのだが、そもそも暴走行為と言うよりも様々なコネクションを通じてギャンススターとして席捲するようになったという。

第3章「ビッグマネー」
かつて、山口組の初代は浪曲師、2代目・3代目は芸能界に影響を及ぼしたとしてアウトローの中でも大いに影響を及ぼした。もっとも芸能界の汚れ仕事も担ってきたのだが、それが関東連合でも同様のことを行っていたという。

第4章「朝青龍、海老蔵―六本木・西麻布コネクション」
関東連合のコネクションは他の暴走族集団の中でも一線を画している。その画しているなかで芸能人や財界人とのコネクションもあった。その中で市川海老蔵や元朝青龍とのコネクションもあったのだが、いずれも傷害事件が起こった。それにも関連しているという。

第5章「いびつな絆」
関東連合の絆は深いものであるのだが、その深さの中にはいびつさもあるのだという。著者が見た「いびつさ」とはいったい何なのかを取り上げている。

第6章「東京アウトレイジ」
関東連合との諍いはまさに北野武監督作品の映画「アウトレイジ」さながらのものだったという。しかし映画は組との抗争であるのだが、本章で言われている構想は組がらみもあれば関東連合ないの内乱にも近いものがあったという。

第7章「証人出廷」
本章で言うところの「証人」は第1章で述べた「六本木クラブ襲撃事件」の裁判の証人として立ったことを克明に記録している。もっとも本書の単行本化されたのは2013年であり、文庫化をするにあたり、証人として立ったことを書き下ろしたという。

関東連合は海老蔵事件以降、メディアでも大いに扱われるようになり、本書の他にも連合の元幹部が続々と本を出していった。本書はそのうちの一冊であるのだが、元々主流派に抗した方の角度から取り上げているため、メディアではあまり知られない素性の一部を知ることができる。