産業医が見る過労自殺企業の内側

過労自殺や過労死と言った労働的な事故・事件は数多くある。もっともメディアでああ使われるのはその一部だけであるのだが、他にもメディアで扱われないだけあり、様々な労働事故・事件が起こっている。

本書はその中から2015年末に話題となった「電通自殺事件」を筆頭になぜ起こるのか、そしてそれを防止・予防するための産業医の役割とうつ対策を会社・個人単位でどうすべきかを取り上げている。

第1章「産業医とは何をするのか?」
大企業を中心に会社によって「産業医」を持つところもある。その産業医について従業員を聴くと分からないことが多いという。もっとも産業医は何故必要か、どのようにして利用していく必要があるのか、著者自身も産業医の立場であるため、自らの立場から述べている。

第2章「電通自殺事件はなぜ起こったのか?」
2015年末に起こった過労自殺事件が起こったのだが、その会社は広告業界最大手である「電通」であった。その電通ではなぜ過労自殺が起こったのか、を分析している。ちなみに電通で過労自殺事件が起こったのは今回が初めてではなく、1991年にもほぼ同じような過労自殺事件が起こったという。それから24年もの間、対策を行ってきたのかというと行ったと言えるのだが、果たして浸透しているかというと「そうではない」と答えざるを得ない現状にあった。

第3章「会社でうつに追い詰められやすい人たち」
会社の規模が大きければ大きいほど、色々な人が働くようになる。それが組織となり、一緒に一つの目標に向かって走って行く。しかしそうなってしまうと人の「摩擦」の中には相談を行うことができなくなってしまうと、自分自身を追い込んでしまう。そのことによってうつが発生しやすい現状にある。

第4章「社員をうつや自殺に追い込む会社の構造」
会社員がうつに追い込まれることは様々な場である。とはいえ多くは「人」からである。つまりは人間関係の軋轢によって生じるケースが非常に多い。そもそも会社は「家族主義」と、その崩壊による弊害によるものだったという。

第5章「過労自殺を防ぐために個人と会社にできること」
過労自殺を防ぐためには、個人に限らず、会社単位で行っていく必要がある。会社となると管理職や会社幹部でもその対策をいかに重要視しているかでハード・ソフトの両面から対策を行っていけるかで変わってくる。他にも個人的な対策として仕事・プライベートをいかにして両方を充実していくかというのも頭に入れておく必要がある。

会社としての仕事は数多くあるのだが、その会社の中で人間関係の軋轢などにより、体調不良はもちろんのこと、うつなどの精神的な病に陥ってしまい、復帰までに時間がかかったり、復帰不能になったり、あるいは死に至るようなことになったりすることがある。一度だけの人生であるため大切にすべきことはそれを未然に防ぎ、防ぎきれなかったとしてもいち早く手を打つことが個人・会社として必要なことではないかと思う。

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