家族という病

薬と毒は表裏一体であり、もの・時としては薬にもなり、時としては毒になる。
家族もまた然りであり、人間として成長する、安定するための薬にもなれば、時として毒や病の源にもなる。本書はなぜ「毒」や「病」の元となり得るのか、その本質を追っている。

第一章「家族は、むずかしい」
「家族」はある意味「複雑」である。その複雑である中で子供や家族全体がマイナスの要因になる。それが子離れ・親離れができなかったり、期待をかけられたり、するようなことでプレッシャーとなるようなことさえある。もっとも家族はプラスの要素もあれば、マイナスの要素があるのだが、その「マイナス」に司るような箇所がそこにある。

第二章「家族という病」
家族は尊い存在であるのだが、それが「枷」となるようなことさえある。家族に触れ合いすぎることによって話題が家族しかなく、もっと広い話題を生み出すことができず、ましてや人と人とのつながりなので、ストレスになるような人もいる。

第三章「家族を知る」
その「病」や「毒」を「薬」にすることができる。その「薬」とするためには「家族」のあり方を知ること、そしてその家族をいかにして理解していくのかを取り上げている。

第四章「旅立った家族に手紙を書くということ」
本書は家族の定義から少し離れ、著者自身が家族のことについてを父・母への手紙と共に綴っている。もっとも「旅立った」とは著者自身が家族から離れたことにあり、その離れたことに関する著者自身の心情がありのままに伝えている。

家族は尊いものである一方で人によっては「害悪」や「毒」と捉える人もいる。その捉える人の中で家族はどのように定義されていくべきか、それは各々で考えていく必要がある。その参考資料となる一冊が本書である。