低炭素社会

当時民主党政権に政権が移った後の2009年の「国連気候変動サミット」にて鳩山由紀夫首相(当時)が2020年までに温室効果ガスを25%削減するとしていた。またそれ以前にも政権交代を狙った2009年の衆議院議員総選挙でも、民主党のマニフェストに記載された。実現可能かどうかについては疑問にあり、実際にはできなかった。

そもそも二酸化炭素を含めた温室効果ガス削減は行っていく必要がある。そこで本書の「低炭素社会」である。低炭素社会実現のためにいったいどのようなものが必要になってくるのか、本書は現実と、方法について取り上げている。

第1章「「温室効果ガス25%削減」で新しい日本へ」

冒頭の鳩山首相の発言は著者にとっては「先進国宣言」だったのだという。なぜ「先進国宣言」だったのかを取り上げると同時に、「温室効果ガス25%削減」の意味合いについても取り上げている。

第2章「そもそもエネルギーって何だろう」

本章ではあくまで入門的に「エネルギー」の原理について取り上げている。エネルギーの副産物として二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスはどのようにして生まれるのかなども言及している。

第3章「エネルギー消費量の正しい減らし方」

「温室効果ガス25%削減」としているのだが、ではどのようにして削減できるのかを取り上げている。それを考えていくための基本として、まずはエネルギーとはどのようなものなのかを知り、消費量がどのように生み出すのか、そしてどこから削減を行っていけば良いのかを提示している。

第4章「町づくりで低炭素社会を実現」

元々日本は大東亜戦争後、高度経済成長を経て、経済大国となっていったのだが、そもそも経済成長については「ものの豊かさ」が主体となった。しかしそのものの豊かさを捨てて、エコな都市計画を行っていくことにより、低炭素社会が実現できるとしている。

第5章「人類の知を構造化する」

人類の「知」は進化しており、研ぎ澄まされる。しかしその「知」は実行をすることによって実を結ぶのだが、著者自身も得てきた知識やアイデアを実行しないことには意味が無いとしている。

温室効果ガス削減に効果があるかどうかはわからない。ただ、理論を述べたとしても削減につながらず、実践をしてして見ないことにはわからないのは確かである。とはいえど、民主党政権になっていた2009~2012年の間、実行していたかというと、標榜していながら行っていなかったに等しい。