プラトンとの哲学――対話篇をよむ

ソクラテスの弟子であり、アリストテレスの師匠であったプラトン。彼の哲学は「イデア」を中心とした哲学を提唱しただけでなく、師であるソクラテスの哲学を後世に語り継ぐといった役割も担っていた。そのプラトンの哲学は対話を通じてどのような哲学なのかを明かしているのが本書である。

第1章「生の逆転―『ゴルギアス』」
「ゴルギアス」はプラトン初期の「対話篇」であり、弁論術のあり方や現実政治の惨状を取り上げている。もっともプラトンは弁論や対話篇を重視したのは本章の現実政治、そして次章で取り上げるソクラテスの影響があった。

第2章「魂の配慮―『ソクラテス弁明』」
プラトンは10~20代の頃、ソクラテスの弟子として哲学や対話術を学ぶこととなった。門人として哲学を学ぶ一方で政治家への志を得ることとなったのだが、毒杯による処刑を機なのかどうかはわからないが、ソクラテスの処刑までの日々と三十人政権と呼ばれた恐怖政治のあらましを取り上げている。

第3章「言葉の中での探究―『パイドン』」
ソクラテスが毒杯をあおり、亡くなった後、ソクラテスの弟子たちは様々な学派を立ち上げ、始祖となる人も少なくなかった。プラトンもイデア学派をつくり、始祖となったのだが、その中でエリス学派を立ち上げたパイドンがどうして学派をつくったのか、そしてソクラテスとの関わりはどうだったのかを取り上げている。

第4章「愛の力―『饗宴』」
饗宴はプラトンが上梓した書物の中でも最も有名な書物の一つであり、対話篇の中でも最も有名なものである。
その饗宴の舞台はいつなのかというとソクラテスがまだ生きていた時代、自身の友人・知人との関わり、そしてタイトルにある「饗宴」についてのあらましを対話を通じて描いているものである。饗宴は元々副題に「恋について」とあるのだが、対話には「恋」や「愛」の題材がふんだんに扱われている。

第5章「理想への変容―『ポリテイア』」
「ポリテイア」は別名「国家」と言われており、副題は「正義について」である。正義を通すためには自分自身の理想を描いたり、持ったりすることが肝要であるのだが、そもそも理想とは何か、そのことを取り上げている。

第6章「宇宙の想像力―『ティマイオス』」
まだ宇宙の全容がわからなかった頃、プラトンは宇宙について何を想像・定義をしたのか、その議論の中にギリシャ哲学の中でも有名な「ピタゴラス学派」がある。その学派の定義なども含めて取り上げている。

第7章「哲学者とその影―『ソフィスト』」
ソフィストはペルシア戦争からペロポネソス戦争までギリシャで活躍した学者たちを上げており、彼らを批判する学者も少なくなかった。もっともソクラテスもその一人であり、ソフィストが提示した学問をことごとく批判した。もちろん本章でも批判しているのだが、そこには光と影があったという。

プラトンの哲学は今日ある哲学の根幹としてあると言える。しかし根幹にあるとは言え、プラトンの哲学はどのようなものかその一つを知る要素として「対話篇」があるということを証明づける一冊である。

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