愛が挟み撃ち

簡単に言えば「三角関係」であるのだが、いざ「三角関係」のことを考えるとドロドロとした印象を持ってしまうのだが、本書における「三角関係」はどうも考えさせられるものである。

その「考えさせられる」理由として「愛」そのものの定義にある。哲学的な論考のように思えるのだが、実際に男女の付き合いをする、あるいは恋愛をしないと分からないのかもしれない。もっとも自分自身は恋愛事にはとても疎い(というか彼女いない歴=年齢)のためよくわからない。

しかし本書を読んでいくと三角関係を持ちながらそれぞれの人物が「愛」について求めているような節が所々で見られる。本書を読んでみて実際に当事者になったとしたら自分はどのように「愛」を考えるのか、それらを考えるきっかけとなる。もし自分に彼女ができたら、あるいは結婚できたら、本書を読み返してみるとどうなるのか考えても想像がつかない。それだけ恋愛をしている・していないの差によって面白味が違ってくる一冊とも言える。