食に添う 人に添う

人間として生きる要素として「衣食住」がある。その中でも「食」は生きて行くにあたり必要なことであるのだが、何でもかんでも良いというわけでは無い。そもそも「食」を知らずに何でも食べてしまうことによって食べもの・食べ方によっては病を冒すようなこともあれば、逆に健康的になるような事もある。

本書は未熟児の子どもを授かった著者が「食」に寄り添い、そしてその食を生産する方々との出会いの記録を綴っている。

第一章「一人息子」
著者が授かった一人息子は生まれたとき、わずか1,700グラムの未熟児、や「超未熟児」とも呼べるほどであった。人並みに成長するために食について考え、学ぶはじめるようになった。

第二章「学ぶ」
食の尊さを学ぶために、食に関する「会」に通い始め学ぶことになった。「食育」と呼ばれるようなものがあるのだが、著者が行ってきたことはそれにまつわるものもそれに関連すると言える。その学びをもとにして「食の情報センター」や「子どものいのちを守る会」を設立した。

第三章「心のふるさと」
著者自身の生い立ちを綴っている。なぜ食にこだわるようになったのか、息子の成長によって著者はどのような変遷を辿っていったのかが中心となっている。

第四章「すばらしい食べもの」
食べものには様々なものがある。調味料一つ、さらには水一つ気をつかうことによって自分、ましてや子どもの成長にもつながる。その食べものの出会いはどうだったのかを取り上げている。

第五章「手を当てる」
人に寄り添うためにどうしたら良いのか、そのことを取り上げているのだが、著者自身がどのような「縁」があったのかも一つ一つ綴っている。

第六章「感動する人に出会う」
人の出会いの数だけ、人の成長や変化がある。。著者自身がどのような人に出会ったのか、そして食に対する考え方がどのように変わっていったのか、そのことを取り上げている。

「食の縁は、人の縁」

この言葉を本書を読んで思った。食をつくるためには農産物をはじめとした原料などをつくる必要があるのだが、そこにもやはり「人」がいる。その人と人との出会いによって、食もまたより良いものとなる。だからでこそ「添う」と言う言葉を使っているのかも知れない。