穴 HOLES

単純に穴を掘るだけの一冊だけであるかも知れないのだが、本書が紡ぐ物語は単純に穴を掘るだけではとどまらない。穴を掘ることを巡って様々な「罪」と向き合い、乗り越えていく。

その「罪」はどこから来ているのか、本書で出てくる少年たちの数だけある。しかし主人公はむしろ「無実の罪」を着せられたのだが、その「無実の罪」自体が「罪」としてカウントされているのかも知れない。それはキリスト教として存在している「原罪」にも通ずるものがある。

その穴掘りを通じて乗り越えられるかと思いきや、かえって「墓穴を掘る」というような悪循環を起こす呼び水のようなこととなってしまう。ある種の無間地獄から抜け出すために穴掘りの矯正施設を脱出する姿もまた子どもならではの複雑さと純粋さを垣間見るように見えてならなかった。

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