カラー版 最後の辺境―極北の森林、アフリカの氷河

世界の中には不思議と呼ばれるような場所や文化がある。もっとも場所によっては「秘境」と呼ばれるような場所がいくつも存在する。その中でも著者が1979年~2003年とおおよそ四半世紀にわたって触れてきた秘境を8カ所に分けて取り上げている。

第1章「地図の空白部を歩く カラコルムの五大氷河<1979年>」
インダス川の源流部にある「カラコルム」には秘境が数多くある。もっとも山脈や渓谷となるものがあるのだが、その中には「氷河」があるのだが、中でも「五大」と呼ばれるような場所が存在すると言う。

第2章「黄河源流の幻の山 アムネマチン<1981年>」
もっとも「カラコルム」はパキスタン・インド・中国にはさまれた地域であるのだが、本章で取り上げる「アムネマチン」は中国の中でもチベット族自治州にある山であり、もっともチベット仏教でも「聖山」として崇められる所にある。他の「聖山」と呼ばれる中には梅里雪山(ミンリンカンリ)など未踏峰の山があり、中には宗教的な理由から入山禁止になった山もある。本章で取り上げる「アムネマチン」こそ入山禁止になってはいないのだが、登頂するのは難しい山である。そのために珍しい生き物や自然などが溢れている。

第3章「極北の森林限界 ブルックス山脈<1995年>」
北極圏にあるブルックス山脈は森林限界の地域であり、なおかつアメリカにおいて「北極野生生物国家保護区」に指定された地域である。その地域には「限界」ならではの森林の不思議さを知ることができる。

第4章「世界最大の水量を誇るイグアスの滝<1998年>」
アルゼンチンとブラジルに跨がるスポットとして「イグアスの滝」がある。その滝にある国立公園と共に世界遺産として登録されており、なおかつ「世界三大瀑布(せかいさんだいばくふ)」の一つとして取り上げられる。

第5章「赤道直下の高山氷河 アフリカ<1999年>」
アフリカには様々な生物や自然がある。とはいえど、砂漠などの地域があるイメージがつよいのだが、実際には高山もあり、そこには「氷河」もあるのだという。

第6章「豊かな水に恵まれた巨木の森 北アメリカ西部沿岸<1999年>」
北アメリカ西部はカナダからアメリカアラスカ州に跨がる地域であるのだが、肥沃な森があり、中には「国立公園」となっている箇所も存在する。

第7章「地上最後の秘境 コンゴ川流域の熱帯雨林<2000年>」
アフリカの中で熱帯雨林と呼ばれる地域が存在しており、「コンゴ」がその代表的な地域である。その地域には川と熱帯雨林があるのだが、あまり知られていない。そのため「地上最後の秘境」とも言われている。

第8章「聖なるバイカル湖<2003年>」
ロシア南東部にある湖で「世界一深い湖」として有名である。その湖の近辺にも「秘境」なるような自然が育まれており、なおかつあたかもモンスーンのある四季が存在するような場所でもある。

「秘境」と呼ばれるような場所は世界各地にあり、当然日本にも存在する。しかしながら世界は広い。その広い世界の中で私たちの想像し得ないような自然やスポットが存在する。その片鱗を本書では見せてくれる。