総力取材! トランプ政権と日本

ドナルド・トランプが大統領に就任したのは2017年1月20日のことである。最大で8年の人気があるため、長くても2025年1月までの人気であるため、4年、ないし8年の間に、どのようなアメリカになっていくのかは未知数である(そもそも政治経験がないため)のだが、就任して1年4ヶ月の間様々な発言・政策で国際情勢が変わるような出来事が次々と起こった。

本書の話に戻る。本書はNHK取材班が大統領選挙にてトランプが当選するまでのプロセスを取材しながら、トランプが描くアメリカの変化について追っている。

第1章「トランプ政権はアメリカをどう変えるのか?」
厳密に言うとジョージ・W・ブッシュ以来8年ぶりの共和党政権と言われるのだが、実際には共和党や民主党といった二大政党の形と言うよりもトランプ独自の政策を映し出しているというほかない。そのトランプ政権の最初の政策として「TPPからの離脱」であった。そもそもTPPに対して悲観的な見方を示しており、それが世界的に動く「グローバリズム」の終焉に近づいているのではないかとみている。他にも総選挙シーズン当時は西欧を中心とした移民に関することについても言及している。

第2章「何が「トランプ大統領」を生み出したのか」
そもそもトランプを支持したのは、かつて「アメリカを動かす『ホワイト・ワーキング・クラス』という人々 世界に吹き荒れるポピュリズムを支える”真・中間層”の実体」にて取り上げた「新・中間層」と呼ばれる人たちである。元々ある「中間層」があったのだが、それが亡ぶような状況にあるという。その理由として今ある「中間層」が製造者たちの層であるからである。それに対して「新・中間層」と呼ばれるところは引用したタイトルにある通り「ホワイトワーカー」と呼ばれる、いわゆるサービス業の人たちの支持があったという。

第3章「日米関係はどう変わるのか」
トランプ旋風が止まらない中で中東やロシアの関係がどのような変化を起こるのか、さらには「世界の警察」としての立場の撤回など、国際情勢が大きく変わることが予想されるのだが、本当のところはどうなのかは定かではない。また日本の政権との関係の変化についても言及している。

トランプ政権になって1年4ヶ月の月日が流れるのだが、良くも悪くも変わっていると言っても過言ではない。その変化に対して日本はついて行けるのか、そして取るべき指針は決まっているのか、それは定かではない。