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蔵前

戦争花嫁 ミチ――国境を越えた女の物語り

昨今もロシアとウクライナの戦争が起こっており、戦争とまではいかずとも世界各地で紛争などの争いは絶えない。また歴史の授業の中でも学んだ方も多くいるが、日本でも大東亜戦争、日清・日露戦争など数多くの戦争を経験してきた。 その中で本書で取り上げるのは「戦争花嫁」である。調べてみると、 戦時中に兵士と駐在先の住民の間で行われた結婚に言及する際に使われる言葉で、通常、兵士と結婚した相手のことを指す。主に第一 […]

永遠の仮眠

本書の中身に入っていく前に、本書の著者の話を行う必要がある。著者は小説家としてのデビュー作が本書であるのだが、そもそも著者自身が昨今のJ-POPや歌謡曲などのプロデューサー、さらには作詞・作曲家、音楽評論など、音楽畑で長らく活躍を行ってきた。その著者が初めて音楽以外の分野にて「小説」として刊行した。 ちなみに本書は著者の音楽人生の部分の中で描いた一冊である。よくテレビドラマにも「主題歌」があり、そ […]

楽しくはじめて、続けるための 自炊入門

私自身、大学入学と同時に独り暮らしを始め、もう18年半以上経つ。しかしながら大学生活の4年間は下宿だったため、実際に料理するなどの独り暮らしは14年半あたりになる。元々料理自体は、時間こそ取らないまでも、簡単なものをつくることが多い。野菜炒めや焼きそば、さらにはあり合わせのサラダや簡単な鍋に至るまではつくる。とは言えど、自炊のレパートリー自体は少ないため、ある種ワンパターンになってしまうことも多々 […]

アポカリプスの花

区役所に住む主人公の女性は恋人と同棲し、順風満帆の日々を送っていた。しかしその日常の中で仕事・家両方で謎の現象が起こり、主人公を苦しめた。しかしその現象は主人公しか見えず、恋人や仕事の同僚を含めどの人もわからない。「幻覚」に陥っているのではないかと言うような状況が続いた中、恋人をよく知る男性が現れた。 現れたと同時に恋人がいなくなり、あたかも幻覚と呼ばれる「違和感」がさらに広がっていく。その要因と […]

極アウトプット―「伝える力」で人生が決まる

仕事では様々なことをインプットして、アウトプットを行う事の連続である。当ブログも読書を通してインプットしたものを、ある種備忘録として「アウトプット」を行う。そのアウトプットはインプットをより強固なものにするだけでなく、自分自身を表現する、あるいはより良い行動へと昇華できるといった要素などもある。そもそも「アウトプット」とは何か、またアウトプットをどのように行う事で力を伸ばしていけるのかを取り上げて […]

ひとりが好きなあなたへ2

昨日の書評で「孤立」と「孤独」の違いを取り上げた。もっとも孤独にしてもネガティブな印象がある一方で、沈思黙考をはじめ、孤独でいることのメリットを取り上げる本はいくつかある。 本書もその一つである。ちなみに本書は11年前に出版された詩集の続編にあたり、独りでいるあなたへ送る詩集と写真を綴っている。 「ひとりが好き」という人はけっこういる。かくいう私も時として「ひとりでいたい」という思いが何度もあり、 […]

聞く技術 聞いてもらう技術

仕事を行っていく上で「聞く」ことはけっこうあるのだが、そもそも「聞く」ことは難しい。「聞く」と言うとなると、過去に何冊か取り上げたことがあるのだが「聴く」という「傾聴」のイメージが強くあるのだが、本書はそれとは異なる「聞く」である。なぜ「聞く」ことが重要なのか、そしてその技術をつけるにはどうしたら良いか、そのことを取り上げている。 第1章「なぜ聞けなくなるのか」 本書の冒頭に 「聴く」よりも「聞く […]

60歳 女ひとり、疲れないごはん

「食事」は人間としての生活の中で欠かせないものである一方で、健康的に生活できるか、できないかと呼ばれる重要な要素の一つである。 料理はもちろんのこと、材料、食べ方一つで、自身の身体、さらには隊長などが変わってくる。そうであれば健康的に、かつ疲れないごはんや食べ方を行ってみたいものである。 本書は著者自身のごはんを揃えている「写真集」と言うべき一冊である。分類としてはエッセイに当たるのだが、エッセイ […]

今すぐ転職を考えていない人のための キャリア戦略

社会人としての人生は長い。多くの人出あれば30数年、人によっては40年や50年と言った長い人生の中で、仕事と関わっていく。そしてその多くは会社に入社し、部署に配属され、それぞれの役割を全うすべく仕事に励むが、中には組織になじめず、転職する、あるいは別の部署に異動を願うような人もいる。 特に長い人生の中でどのように生きていくか、戦略を持って考えている人もいれば、どうなるのかわからないと思い、ただ漫然 […]

ぐるり

人の生きる道も季節と同じように、ぐるりと巡る。それは人の出会い・別れもまた同じようなものなのかもしれない。その人との出会い・別れ、さらにはすれ違いなどの交錯がふんだんに盛り込まれている小説集の一冊である。短編集のようにも見えるのだが、短い作品もふんだんに盛り込まれているため、どちらかというとショートショートと言える。 実は著者自身作家であるものの、作詞家、バンドミュージシャン、ラジオパーソナリティ […]