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青春

50%のユーレイ

人生は何が起こるのか全くわからない。元気に人生を送っていた人が突発的な事故や病気で亡くなるといったこともある。 本書はとある少女が不慮の事故に遭った。その後に死神が現れ、仮の幽霊、本書のタイトルにある、実体はあれど、ほとんどの人は見えない姿となった。彷徨っていたなかで唯一少女の姿を見ることのできる少年と出会った。 その少年も仮の幽霊となった少女も自分自身の存在意義について悩む時があり、消え去りたい […]

それは桜のような恋だった

「桜の季節」というと、言うまでも無く春である。しかし少し細かくなると桜の開花時期は地域によって変わるため、厳密に言うところの「桜の季節」は変わってくる。例えば九州から本州までは3月末~4月初めが見頃である一方で、沖縄は1月末~2月頃、北海道に至っては4月末~5月上旬が見頃となる。 それはさておき、桜の季節というと出会いと別れの季節である。その中でも特に別れは印象的になってくる。本書の舞台は京都。と […]

一瞬を生きる君を、僕は永遠に忘れない。

人生は「一瞬」と定義する人もいる。かくいう私も、人によるが数十年の時の中で、気がつけば「あっという間」と言うようなものであり、いつしか老いて、死んでいくと言うことを考えると「人生」は「一瞬」であることは合っていると思う。 もしも明日、もしくは来月死ぬとするならばあなたはどのような人生を送るのか。もしくは何をしたいのか、そのことは様々な本でも言及している。とはいえど、そういった意識で行うだけで、実際 […]

僕は僕の書いた小説を知らない

人によっては趣味として小説を描いたり、ブログを書いたりする方もいる。しかし書いたことは全て覚えているかというと決してそうではない。かくいう私も、当ブログにて記事だけでも5700記事、そのうち書評は5000記事近くにまで上っている。 もう15年ほど続けているせいか、印象に残っている記事・本以外はほとんど覚えていないこともしばしばである。ましてや書評を行おうとしたらもう既に行っていて、重複してしまうこ […]

どうしてわたしはあの子じゃないの

他人との比較は、複数人のいる組織はもちろんのこと、友人や仲間の間でも起こりうる。その「比較」を行っていく中で、優越感や嫉妬、さらには後悔などの感情が入り交じることも往々にしてある。そのためか本書のタイトルにある感情が芽生えてしまうこともある。 本書は中学の同級生だった男女3人が、それぞれの言葉・思いを手紙にしたためて、ある種「タイムカプセル」でもって保管。そして30歳になった時にその保管した手紙を […]

運転者 未来を変える過去からの使者

「何で私ばかり」と言うことは誰にでもあることだろう。かくいう私もそういったことを口にしたことは何度もある。それを口にしたときに自分自身にある罪悪感や空しさに襲われることもあった。 誰しもある「私ばかり」といった感情。それは必死に努力したにもかかわらず、思い通りの結果にならないなど「報われない」場面に遭遇することで起こることが多い。その「努力」は果たして報われるか、報われないかはここでの言及は避ける […]

代表取締役アイドル

本書はとあるアイドルが握手会で起こった事件に巻き込まれ、アイドル活動ができなくなった。途方に暮れたアイドルはある人から目を掛けられ、オファーとなった。それが何と大企業の社外取締役というポジション。 アイドルからいきなり役員になったのだが、「大企業」は名ばかりで、実はパワハラやいじめ、さらには改ざんなどが横行する「ダメ会社」だった。お飾りになるのではなく、自分自身で立ち直らせる思いで仕事を進めた。し […]

毎日世界が生きづらい

世間もさることながら、昨今の世界は「生きづらい」社会となっていることには間違いない。もっとも生きること自体が苦しいことも含まれている。 本書の話に移るが、会社員と作家の夫婦。その二人の間にも子供が生まれ、生活面でも支えていかなければならなくなる。金銭面はもちろんのこと、方や作家の側は出版すらこぎ着けない毎日であるため、半ばニートのような状態である。作家といった書いて売れる立場はどうしても当たり外れ […]

櫓太鼓がきこえる

今年の相撲はまさに新しい風が入ってきたと言うほかない。1月の初場所は御嶽海が3度目の優勝を飾り、大関昇進を飾った。3月に行われた春場所では御嶽海の大学時代の後輩にあたる若隆景が初優勝を果たした。次の夏場所ではどのような風が吹くかが期待される。 相撲界における「新しい風」は何も力士ばかりではない。本書で紹介する「呼出」もまた同じように新しい風が入ってくる。その新しい風は高校を中退して、叔父の薦めで相 […]

赤い髪の女

親子の「縁」は切って切れないものである。切っても切れないのだが、片方の裏切りにより、その縁が切れかけることもあれば、完全に「切れた状態」になることもある。しかし何かしらの影響で元の鞘に収まるといったこともある。 本書は父に捨てられた子が、金を稼ぐために働く。その時にある赤い髪の女と出会う。その女に子供は恋に落ちた。それが悲劇に墜ちることも知らずに。 女性と子供、そして父と子。それらの数奇な運命は悲 […]