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青春

見えない星に耳を澄ませて

今年は非常に寒い。しかし寒いとなると空気は澄んでおり、夜空を見上げると星々がけっこう見える。場所によっては天体観測のように、満天の星々を観ることもできると言う。 その星になぞらえているのが人の心である。星の数だけある、と言う言葉は当てはまらないのだが、人それぞれの心情や考え方などがある。中には心の傷を負い、見えなくなってしまうことも多々ある。それを音楽療法で癒やす音楽療法士を目指す人の物語を本書に […]

音速の刃

決して週刊少年ジャンプで連載していた人気作を諧謔化したタイトルではない。 本書の物語は飛行機事故を題材にしている。私もここ最近は新型コロナウイルスにより帰省ができておらず、飛行機にも何年も乗っていない。飛行機というと時速数百㎞といったかなりの速さが出るのだが、飛行機と呼ばれているものの中には、有事の際に活躍する戦闘機と呼ばれるものもある。特に戦闘機の中には速さが音速を超えるものもあり、なおかつ戦闘 […]

心臓に針を

人間としての「生」と「死」。それは人それぞれの思想の根底にある。最近では道徳や人間的な授業として「デス・エデュケーション」「死の準備授業」と呼ばれる「死」に関して考える内容が一部の学校でも取り上げられ、なおかつ書籍や動画でも取り上げられている。 本書はそれとは毛並みが異なる。それはとある病院の経営者であり、美容外科医の人物が、自ら封印していた過去を呼び起こす出来事があった。その過去には悲劇的なもの […]

私が結婚をしない本当の理由

本書は結婚相談所を舞台にしているのだが、そもそも本書のタイトル通りであれば、結婚相談所は行かないのではと邪推してしまう。 とある理由から結婚相談所に行くことになった男女合わせて4人の人たち。いずれも、「ワケあり」といったような状況なのだが、なぜ結婚できなかったのか、あるいは「結婚しなかった」のか、90日間で結婚できるという触れ込みの結婚相談所を舞台に描いている。 読んでいる私自身も、それほど結婚に […]

パリ・オペラ座バレエ学校物語 コンスタンスの新しいダンス

本書の舞台である「パリ・オペラ座バレエ学校」は実在しており、1713年にルイ14世によって設立されたバレエ学校である。世界最高峰のバレエ学校として名高く、競争倍率も非常に高く、日本の宝塚音楽学校はだいたい20~40倍ほどである一方、パリ・オペラ座バレエ学校は150~400倍(男女差による)とも言われる。 さらに合格してからも必ずパリ・オペラ座バレエのバレエ団に入れるとは限らない。入学してからも様々 […]

強運の神様は朝が好き

一見スピリチュアルのように見えるのだが本書は、朝や幸運、さらには失敗や成功と言った所について、ビジネスエピソードを交えて物語として描いている。 本書はビジネスを舞台にして、朝だけでなく様々な神様をもとにしてビジネスにおける失敗、成功、人間関係が事細かに描かれているが、元々生保会社のセールスマンとして、様々な成果を挙げていった中での体験も交えている。 ビジネスの場で、何を学び、気づき、そして関わって […]

白き女神の肖像

どこか、別の物語などで聞いたことがある。画家のモデルが、絵の題材にされた後に、死ぬ、あるいは事件に巻き込まれるといったものがあった。誰のどの作品かは覚えてはいないのだが。 それはさておき、本書はとある画家が妻をモデルに肖像画を描いたのだが、そのもで売るの妻が謎の事象が起こった。モデルとなって次々と肖像画を描かれていくうちにだんだんと生気が奪い取られ、そして死んでいった。彼女の死後、別の人をモデルに […]

黒木魔奇録 魔女島

「怪談」となると、夏の風物詩として持て囃されることもあるのだが、実の所を言うと、冬でも怪談を扱うような本や作品も多くある。根っからの怪談好きの方もいれば、おそらく冬に怪談を見聞きするときの恐怖感がたまらない方々もいるのかもしれない。ちなみに私は怪談が好きかどうかと聞かれると、「特に好きでもなく嫌いでもなく」と答える。 私事はさておき、本書はコロナ禍ならではも含めた選りすぐりの怪談を取り上げている。 […]

五色の辻

近年は新型コロナウイルスの感染拡大により、様々な業界にて苦境の状況が続いており、倒産や閉店も続いている。昨年は特に顕著であった一方で、今年は何とか落ち着きつつあると言った所なのかも知れない。 本書の舞台となる呉服問屋はコロナに限らずとも、呉服業界の苦境と同じように、厳しい状態が続いていた。そんな中で銀行マンでありつつ、企業再建に乗り出す大男が、京都の呉服問屋の再建に乗り出した。銀行マンというとカネ […]

睦家四姉妹図

時代は昭和、平成、令和へと流れていく。その流れの中で、本書はとある4姉妹家族の「日常」を取り上げている。昭和時代末期である1988年から令和に入った2020年の32年にもおよぶ歴史のなかで「歴史」はどのように変わっていったのかが描かれている。 「家族」はもちろんのこと、4姉妹にも新たに結婚があり、出産がありと、新たな「家族」が生まれるなど、大きな「変化」も生じるようになる。しかし元々生まれた「家族 […]