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時事

居場所づくりにいま必要なこと――子ども・若者の生きづらさに寄りそう

何とも生きづらい世の中である。特に子どもや若者にとってはそういった傾向が強くあり、居場所はどこにあるのかという悩みを持っている方々も多いことだろう。いわゆるそこで本書は子どもや若者のために居場所をつくる事ができる社会とは一体どのような社会なのか、本書はそのことについて取り上げている。 第1部「講座「いま、子ども・若者の居場所をどうつくるか?」」 特にここ最近ではコロナウイルスに伴う学校の休校が相次 […]

長生き地獄

長寿は縁起が良いと言われているのだが、昨今は長生きそのものが地獄になってしまっている様相である。それは長生きしている人自身もそうであるのだが、その周囲の方々も巻き込んで悪影響を及ぼすようなこともある。その長生き地獄はどのような世界なのか、本書はその実態を追っている。 第1章「長生きがこわい」 長生きをすることは良いことのように見えて、実は「絶望」と思ってしまうような人も少なくない。もっとも自分自身 […]

現代暴力論 「あばれる力」を取り戻す

暴力というと言葉にしても、武力にしても、さらには圧力にしても、様々なものがある。本書はあくまで武力などの物理的と言うよりも、国家やテロなどのマクロの観点から取り上げる社会的な暴力とは何かを取り上げている。 第一章「国家の暴力―我々は奴隷根性を植えつけられた」 国家は状況によって役割が異なってくる。しかし著者に言わせると国家そのものが「暴力装置」であり、その暴力によって私たちは奴隷根性を植え付けさせ […]

汐凪を捜して―原発の町大熊の3・11

今日で東日本大震災発生から9年を迎える。思えば当時は仕事をしていたのだが、一瞬にして、日常が崩れ去ったことを思い出す。地震発生から繰り返すこと、余震が何度も発生し、一瞬地球の終わりとも思ってしまったほどである。しかしそれ以上に東北をはじめとした地域では自身の他に津波などで甚大な被害を受け、なおかつ福島第一原子力発電所事故により、住み慣れたところから離れざるを得なくなった方々もおり、今日でもまだ帰る […]

総中流の始まり 団地と生活時間の戦後史

日本が高度経済成長期の時によく言われた言葉として「一億総中流」という言葉が多く取り上げられた。具体的にいつ頃からできたかというと、1965年とあるため、今から55年前のことである。それから完全に定着したのが70年代にかけてとも言われている。 やがてバブルが崩壊し、「失われた10年ないし20年」となった時に、「格差」と言う言葉が生まれ、やがては「下流」という言葉も生まれるようになった。ところが先日の […]

ルポ 母子家庭

「母子家庭」となっている家族は数多くあるのだがその中には、本書で取り上げられるほどの悲しく、重苦しい境遇を辿る母子も少なくない。本書はその中でも5つのエピソードを取り上げているのだが、どれも私の想像を絶している。 第一章「母と子の悲しい現実」 結婚して子どもができると、色々と変わってくる。その「変わってくる」方向が良い方奥に行くこともあれば、逆に夫婦関係が拗れてしまい、離婚をしてしまうこともあると […]

いのちを救う災害時医療

「災害(天災)は忘れた頃にやってくる」と言う言葉がある。しかしながらここ最近では忘れていないときにもやってきており、特に台風は毎年のように上陸しており、場所によって甚大な被害をもたらす。昨年上陸した台風15・19号は今もなお爪痕を残している。 そこで本書である。災害発生時に、医療は大事になってくる。災害により怪我を負う、あるいは二次災害における病気なども発生することも往々にしてある。その中で災害時 […]

大阪ミナミの子どもたち―歓楽街で暮らす親と子を支える夜間教室の日々

大坂には色々な歓楽街がある。中でも最も大きな歓楽街というと「ミナミ」と呼ばれる所がある。飲み屋も多いのだが、買い物スポットとしても有名である所である「教室」が存在している。その名も「Minamiこども教室」。そこでは様々な問題を抱える子どもが救いの手を受けると言う場所で、もちろん勉強も行われる。なぜこども教室が開かれたのか、そしてこども教室を通じて伝えたいこととはいったい何なのかを綴っているのが本 […]

となりの難民――日本が認めない99%の人たちのSOS

つくづく日本は「難民鎖国」と呼ばれている。一昨年に「難民鎖国ニッポンのゆくえ」でも取り上げたのだが、難民申請は多数いる。しかし実際に受け入れられたのは5%にも満たないと書いたのだが、2018年の法務省による統計では難民申請は10,493人に対し、難民認定、あるいは庇護を受けた人はわずか104人と文字通り1%だけで、タイトルにあるように99%は認められていない。 本書の著者は外国人支援団体の主宰で、 […]

「フェール・セーフ」に学ぶ災害対策論

「フェール・セーフ」と言う言葉は、 「誤りや失敗が起きても安全を保障するための機構。または、そのような設計思想。異常時の自動停止機能や、一部が壊れても全体に致命的な影響が及ばないようにする設計など」(「広辞苑 第七版」より) とある。システム開発や機械開発などの場ではよく聞くのだが、日常生活ではなかなか聞き慣れない言葉かもしれない。しかし日常生活にこそ「危険」「事故」といったフェールの部分は数多く […]