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社会

差別は思いやりでは解決しない ジェンダーやLGBTQから考える

そもそも「差別」は人間や動物などには多かれ少なかれ「差」があることから、その上での「差別」はどうしても起こりうる。その部分は致し方ないのだが、中には解消できる「差別」も存在する。しかしその「差別」の解消はどのように行っていけば良いか、国・自治体・個人とそれぞれに分かれてくるのだが、個人における「解決」の一つの解として「思いやり」がある。 しかし著者に言わせるとそれは単なる気休めでしかなく、そもそも […]

無国籍と複数国籍 あなたは「ナニジン」ですか?

先にも述べたように、日本では「国籍法」により、1つの国しか国籍を持つことができない。もし日本国籍を得ようとするのであれば、他の国の国籍を放棄する必要がある。しかし国内外に目を向けてみると「無国籍」の人もいれば、実際に他国の国籍をいくつか持っている「複数国籍」の人も現にいる。そもそも無国籍・複数国籍がなぜ存在するのだろうか、またその「国籍」を巡ってどのような問題が存在するのか。本書ではそのことについ […]

わたしの心のレンズ 現場の記憶を紡ぐ

今となっては「写真」は色々な所・もので撮ることができる。専用のカメラはもちろんのこと、スマートフォンなどでも行える。しかもその写真は個人で楽しむばかりで無く、InstagramなどのSNSサイトで、友人や不特定多数の人びとと共有することができる。 写真はそういった表現に使われるのだが、他にも様々な出来事を表す、あるいは現場における悲しさ、怒りなどもまた写真として表れることもある。本書は写真家として […]

孤独は社会問題 孤独対策先進国イギリスの取り組み

本書はイギリスが舞台であるのだが、日本でも「孤独死」が社会問題となり、内閣にも特命担当大臣として「孤独・孤立対策担当」が設けられるようになった。解決までの道は長く険しいものの、政治や経済、地域など様々な観点から解決への道筋を立てられるかにかかっている。 さて本書はイギリスにおける「孤独対策」であるのだが、政治に限らず王室も巻き込んでの対策を行っているという。 第一章「孤独担当大臣の創設」 「孤独」 […]

ルポ 女性用風俗

「性産業」と呼ばれる業界があるのだが、ビデオはもちろんのことソープやヘルスといった「性風俗」と呼ばれる世界がある。イメージが強いものとして男性を対象にしていた。 しかしながら「性風俗(フーゾク)」をはじめとした「性産業」もまた「女性向け」と呼ばれるものがあり、本書では「女性」を対象にした「女性用風俗」なるものと、その利用者の現状などを取り上げている。 第一章「処女と女性用風俗」 女性用風俗は少ない […]

「ヤングケアラー」とは誰か 家族を“気づかう”子どもたちの孤立

「ヤングケアラー」は前々からあるのだが、私自身初めて知ったのは5月、当ブログにて取り上げた記事が初めてである。よくよく調べてみると、2010年代あたりから実態調査はもちろん事、それに関しての支援の動きも見せている。今一度取り上げる必要があるのだが「ヤングケアラー」とは、 法令上の定義はありませんが、一般に、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子どもとされています。 […]

パパ活女子

先日どこかの国会議員がパパ活疑惑をかけられたのは記憶に新しい。もっとも「パパ活」自体は言葉としてここ最近できているものの、かつては「援助交際(援交)」として扱われてきた。なぜ「パパ活」と言う言葉がつくられたのかの源流は不明だが、できたばかりの頃に同名のドラマもあった。 そもそもなぜ女子たちはなぜ「パパ活」を行うのか、またパパ活の傾向はどのようなものなのか、本書はそのことについて取り上げている。 第 […]

ひきこもりのライフストーリー

「ひきこもり」自体は今も昔も変わらず取り上げられている。ネガティブに取り上げられていることも多く、子どものみならず、大人たちもまた「ひきこもり」をするようなケースも少なくない。「ひきこもり」になる要因は当事者の事情によって異なるため一概には言えない。そこで本書である。本書は「ひきこもり」の当事者たち5人の体験談などを取り上げている。 第一章「いじめに狂わされた人生」 「ひきこもり」となる要因のなか […]

歴史秘話 外務省研修所 知られざる歩みと実態

「年度」として捉えるのであれば、2022年度も折り返し地点にあたる。特に新人になってくると、新人研修を終えて、先輩とのOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の真っ最中であることが多い。そのためか仕事を覚えることが多く、右往左往している人も多いことだろう。 その「研修」自体は企業の専売特許と言うわけでは無く、中央省庁でも、省庁の職員、いわゆる官僚たちもまた研修を行い、仕事をドンドンと覚えていく。そ […]

春を待つ海ー福島の震災前後の漁業民俗

東日本大震災から11年半経過した。復興の道はまだ「道半ば」というだけあり、次々と復興は果たしつつあるものの、まだまだ完全に復興するまでは遠い。もっとも10年以上経っており、「元に戻る」と言うことは時代の変化もあってか難しいという他ない。 本書は震災の被害が著しい福島県の漁業民俗を取り上げている。民俗学はフィールドワークが主であるのだが、著者自身が調査地である福島県新地町に住み、漁業を行いながら震災 […]