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書評

外国人集住団地――日本人高齢者と外国人の若者の“ゆるやかな共生”

明けましておめでとうございます。本年も「蔵前トラックⅢ」をどうぞよろしくお願いいたします。 新年はこの1冊からです。 ***** 「団地」と言うと、ここ最近ではネガティブな話しか聞かない。特に高度経済成長期において各地でニュータウンができ、団地も生まれてきたのだが、近年では高齢化が進み、廃れて言っているといった風潮をまことしやかに見聞きすることがある。 しかし団地の中には新しい「共生」をもって活き […]

モテるかもしれない。

モテたい この思いを持っている人は少なくない。しかしモテるためにはどうしたら良いか、実践をしてもなかなかうまく行かない人もいる。 本書の著者もその一人なのかもしれない。 モテるためなら何でもする その言葉を忠実に実践した記録(顛末)をエッセイとして綴っている。モテの道を突き進むのだが、時には畦道・獣道だったり、中には落とし穴にはまるようなこともあるような体験もあるように見える。 「どうしてモテたい […]

妊娠の新しい教科書

少子化の時代ではあるものの、人によっては子どもをつくりたい家庭もいる。特に家庭によっては「妊活」といったものがあり、その活動により妊娠をするといったこともある。 しかしその「妊娠」に関して、時代が変わるにつれて変化していくのだが、本書はその「変化」も含め、妊娠にまつわる「治療」をもとに新しい「妊娠」とは何かを取り上げている。 第一章「妊娠の常識が変わる」 断るが男性が妊娠するようになると言った突飛 […]

少女を埋める

「自伝的小説」はこれまで何度も読んできたのだが、著者の小説は自ら「社会」に対して、「メディア」に対しての苦しみが映し出されている。コロナ禍に伴っての帰郷と、その故郷での絶望と脱出が描かれている。 本書にて描かれている物語は著者自身のインタビューなどで度々取り上げられていた故郷や家族についてが中心となっている。もちろん「自伝的小説」のため、主人公像は別の人であるのだが、中身は著者自身である。 私自身 […]

女子野球史

野球というと男性が行うスポーツのように見えるが、「女子野球」もあり高校野球などもある。かつては女子プロ野球リーグもあったのだが、2021年をもって活動休止となった。特に高校女子野球は決勝戦のみであるが、男子の高校野球と同じく甲子園で行われるようにもなっている。さらに言うと女子野球を題材にする作品はゲーム・漫画などでも取り上げられているほどである。 そもそも女子野球はどのような歴史を辿っていったのか […]

私は女になりたい

「女になりたい」と言っても、もう過ぎてしまったが下の動画のことではない。 本書の主人公は紛れもなく女性。しかし妻や母を卒業し、一人の女として活きていくことになる。その主人公は47歳。女盛りという年かという声もあるのだが、「女盛り」自体は年齢によって決まるものではない。 「思い立ったが吉日」と言うように、中年であっても、高齢であっても、思い立ち、自ら一人の「女」として生きることはどのようなものか。そ […]

自治体と大学――少子化時代の生き残り策

私自身大卒であるが、もっとも大卒してからもう14年の月日が流れる。その間に新設された大学もあれば、募集停止となり、閉校した大学もある。さらに言うと大学というと「大学受験」が良く言われるが、昨今では「大学全入時代」と呼ばれ、よほど志望している学校を受験するためでない限り浪人になるケースも少なくなってきている。 もちろん大学側も定員割れを起こすケースも少なくなく、国公立大学もその例外ではない。本書は少 […]

セイレーンの懺悔

ちょうど今日アップした24日はクリスマスイブ、その日の深夜にフジテレビ系列にて「明石家サンタ史上最大のクリスマスプレゼントショー2022」が放送される。近年はコロナ禍の影響に伴い「寂しい話」とあったが、通常の時は「不幸な話」を題材にしている(とはいえ番組内では「寂しい話」でも「不幸」と多用しているのだとか)。クリスマスイブという良い日なのに「他人の不幸は蜜の味」と言うような話を聞くのはいかがかと思 […]

フラクションの闇

本書は庁舎が労働組合を渡り歩きながらも、共産党員としても渡り歩いた記録である。しかしそれは20歳から43歳までの23年間で、最後は共産党から除名されたという呆気ないものだった。しかしその23年の中でなぜ除名されたのか、それを自らの労働組合員、そして共産党員としての歴史を振り返りながら総括を行っているのが本書である。 第一章「学生運動と入党」 著者が共産党に入党したのは1972年の時である。当時は学 […]

作ってあげたい小江戸ごはん2 まんぷくトマトスープと親子の朝ごはん

「小江戸」と言うと全国至る所に存在するのだが、その際たる所が埼玉県川越市である。江戸情緒溢れる風情が有名であり、駄菓子で有名な「菓子屋横丁」も存在する。 その小江戸・川越の外れにある「たぬき食堂」という定食屋にて織りなす物語が、本書である。もっとも同名のタイトルはシリーズものとなっており、本書はその2冊目である。小さな定食やで頼りない亭主と看板娘が切り盛りする。 そこで出される料理は美味しいと言う […]