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書評

新しい労働社会―雇用システムの再構築へ

労働法というと、「労働基準法」を始め様々な法律で守られているのだが、労働システム自体は時代と共に変化している。それに法律が対応しているのかと言うとなかなかそうとは言えない。もちろん労働システムも社会に対応しているかというと、首をかしげる所もあるのだが。「変化」と言うと10年近く前から「派遣」などの「非正規雇用」が出てき始め、リーマン・ショック以降になると、「派遣切り」と言うのが話題となった。最近で […]

テ・鉄輪(かなわ)

本書のタイトルである「テ・鉄輪(かなわ)」は、物語の舞台であるカフェ「サロン・ド・テ・鉄輪」を略したものである。しかもそのカフェは「縁切りカフェ」と言うから奇妙としか言いようがない。カフェも奇妙であれば、カフェに来る人々も奇妙である。人も奇妙であると、さらには因縁や宿縁など、奇妙な「縁」もある。ありとあらゆる「奇妙」が重なり合って作られた小説である。どのような人物が来るかというと「不倫」「狂乱」「 […]

指揮者の仕事術

仕事術と言っても本書はビジネスマンではなく、「指揮者」という仕事の「仕事術」である。指揮者というとオーケストラなどで指揮棒を振る所を見かける方も多いようだが、実際に指揮者はリズムだけではなく、表現などの色彩の指示を出している。もちろんそれぞれの音についても知る必要があるのだが、他にも「曲の解釈」をはじめ、演奏家以上に曲を知る必要があり、ほかにも演奏家たちとの対話も重要視される。ビジネスの世界で言う […]

知的文章とプレゼンテーション―日本語の場合、英語の場合

文章を作るのは何とも難しい。私がやっている書評のように散文を書くものもあれば、論拠をきちんとし、理路整然とした文章を書く「論文」も存在する。文章の用途は様々であり、書くモノに応じて対応をしていく必要があるため、本当にどういった文章が求められるのかは、もの・ことによって異なると言っても過言ではない。 話がそれてしまった。本書は論文を書くための「知的文章」の作り方とプレゼンテーションのあり方について、 […]

賭ける魂

「ギャンブル」と言うと「お金を賭ける」と言うイメージが強いのだが、その「賭け」は決して「お金」ばかりではない。プライドや勝負観など、賭ける人そのものを賭けているのかも知れない。具体的にどう言うのか、自分自身でも上手く書くことは難しいのだが、自分自身ギャンブルに限らず、勝負に対して様々な「賭け」を行っている(もちろんお金を伴わないが)。その「賭け」とは人間の中のどこに来ているのか、そして私たちはお金 […]

百年前の日本語――書きことばが揺れた時代

「日本語の乱れ」というものが日常茶飯事にように言われているのだが、実際に「正しい日本語」とは何なのか疑問に思うことがいつもある。もっとも日本語も歴史と共に変化をしていると言う考えを持っており、変化の中に相容れられないものがあるのかも知れないと勘繰ってしまう。 そこで本書は今から百年前の日本語はいったいどのようなものだったのかを取り上げている。百年前というと、今年から遡ると大正3年の時である。ちょう […]

ヒーローのように働く7つの法則

角川書店様より献本御礼。 「世界を変える」 その言葉に心躍る人も少なくはないだろう。しかしそのことを実際に実行した人はごく少数でしかなく、大概は「所詮は夢物語」として諦めてしまう。しかし著者の一人は一介の会社員から世界的なIT企業に認められて世の中を本当に変えるための事業を進めている人であるという。 その方の仕事ととはいったいどのような考えなのだろうか、そして著者たちが見つめるこれからのビジョンと […]

混浴と日本史

「混浴」というと、人によってはいかがわしいイメージを持たれる人もいるようだが、日本では古くから根付いている文化であり、日本に限らずドイツや北欧・東欧諸国でも同じような文化が存在する。「混浴」と言うと男女が裸の付き合いになる、と言うイメージが持たれるようだが、西欧諸国などで栄えている「スパ」の文化では水着着用が義務づけられているため、混浴と言っても様々である。 しかし本書は日本で根付いた男女が裸にな […]

メディア・リテラシー論

「メディア・リテラシー」と言う言葉は私が中学・高校の時からずっとその言葉を聞く機会が多かったのだが、実際の所どのようにして行うのかはいまいち分からなかった。もちろん「メディア・リテラシー」にまつわる教育もあった事は存じているが、そこにどのような効果があったかというのは不明である。 そこで本書では「メディア・リテラシー論」と題して、メディア・リテラシーの重要性から、メディア・リテラシー教育のあり方さ […]

世界カワイイ革命

世界には様々な「革命」が起こった。もちろんそれが世界に波及することがあり、大きな変化をもたらすような出来事があった。それは政治的なものから、文化などの「革命」といったものがある。日本でもここ最近起こった。それが本書の「カワイイ革命」である。日本の「カワイイ」文化が世界に発展し、元々「カワイイ(可愛い)」は英語に訳すと「Pretty」と呼ばれるのだが、いつしか世界共通語としての「Kawaii」と表現 […]