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書評

ミッション・スクール

学校には色々なものがあるのだが、中でも「ミッション・スクール」というのは高尚さ、荘厳さのある響きがある。私立の学校であったり、女子校であったり、というようなイメージも少なくない。取り分け「女子校」のイメージは小説「マリア様がみてる」によって形成づけられたと言っても過言ではない。 しかし「ミッション・スクール」は女子校特有のものではなく、男子校もあれば、共学校も存在する。ではいったいどのような経緯で […]

権力移行―何が政治を安定させるのか

「権力」は未来永劫、同じ所にあるわけではない。日本の政治でも民主党や自民党が政権交代したように権力は年が経つにつれて「移行」してしまう。 本書は日本の政権がどのように「移行」して行ったのか、そしてこれから政権交代はどのように変化をするのか、そのことについて追っている。 第一章「自由民主党「長期政権」の確立」 戦後「政権交代」が行われたものとして、戦後間もないときにはあ1947年(第一次吉田内閣)、 […]

北のはやり歌

日本の歌謡曲の中には「春夏秋冬」と言うような季節もあれば、具体的な地名を挙げて、その場書の風情を表している曲もある。本書は「北」をテーマにしているのだが、決して「北朝鮮」ではない。北海道や東北などの「北日本」、あるいは北日本からやってくる、あるいは北日本に行く時のことを歌にした曲の中で大ヒットした作品10曲を紹介しつつ、なぜ「北」が流行するのかそのメカニズムについて迫っている。 第一章「リンゴの歌 […]

究極の愛について語るときに僕たちの語ること

青月社 功刀様より献本御礼。 愛のカタチは人それぞれと言われているが、自分自身の考えが外れてしまうと、「それは愛じゃない」とか「非常識だ」と言って耳をふさいでしまう。しかし愛する人たちが表現するのであれば、どんなカタチであれ「愛」になる。それにとやかく言われる筋合いはない。 本書は様々な「愛のカタチ」について「究極の愛」と題して新宿ゴールデン街のマスターが追った一冊である。 1.「最強のふたり? […]

箱根駅伝を歩く

毎年1月2・3日と箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)が行われる。2014年は、東洋大学が3区でトップに立ち、圧倒的な強さで王者に返り咲いた。山登りのスーパーエースである柏原竜二(現:富士通)がいなくなってから初めての優勝であり、強い東洋が戻ってきたという様相を見せた。 箱根駅伝は往復合わせて約11時間、距離にして約210kmもの長い戦いなのだが、それぞれの区間にはどのような名所があるのか、私も […]

内向型人間のための伝える技術

著者の望月様より献本御礼。 社会人としていちばん必要な力として「コミュニケーション能力」がある。しかしこの「コミュニケーション能力」というのは「話す力」があるのだが、それが全てではない。むしろ「話す」と言うよりもむしろ、「伝える」が重要であり、相手の意見を聞き、そして相手にわかるように話す、共感できるように話すことを「伝える」という。しかしそういった「伝える」ことを苦手としている人も少なくない。中 […]

豊かさへ もうひとつの道

「豊かさ」は時代とともに変化している。大きく変化しているものでは、高度経済成長の「モノの豊かさ」から、バブル崩壊したあとには「心の豊かさ」に変化していったものが挙げられる。しかし「豊かさ」と言っても個人で意味や考え方が異なるため、一概に「豊かになるためにどうしたらいいのか?」と言うことを推し量ることはできない。 本書は自らのエッセイや講演を綴りつつも、人間の豊かさとは何なのか、その本質を見出してい […]

なぜ若者は老人に席を譲らなくなったのか

何か「俗流若者論」のようなタイトルを見ているようでならないが、それに対する意見はここでは述べないようにしておいて、戦前の教育では、「修身」という授業があり、日本人としての人徳、マナー、美学などを学ぶ重要な授業となった。しかしこれが「軍国主義の象徴」と見なされ、なくなってしまった。代わりに出てきたのが「道徳」という教科なのだが、本当のところモラルを身につけられているのか全くの謎である。 本書は古き良 […]

アフリカ紛争国スーダンの復興にかける 復興支援1500日の記録

スーダンの情勢は今混迷を極めている、スーダン南部では、2011年に長い内戦の末に「南スーダン共和国」を誕生した。それでも内戦がずっと続いており、難民が絶えず、外国からの支援も全くと言ってもいいほどできておらず、四面楚歌と言っても過言ではない。しかし、プロローグに「夜は長すぎるが、朝は必ずやってくる」と書いてある通り、それを信じて、復興支援を行い続けている方々がいる。本書はJICA(Japan In […]

したたかな国キューバ―シジョンは揺れても倒れない

キューバでは「カストロ体制」が続いている。2008年に長らく統べていたフィデル・カストロが健康状態の悪化を理由に退任し、新たにフィデルの弟であるラウル・カストロが国家評議会議長の座に就き、あとを引き継いだ。事実上「カストロ体制」が続いたことになっている。 著者は在キューバ大使として2009年から2012年までキューバにいたのだが、ちょうどそのときは先ほども行ったとおり、権力の座が兄から弟に委譲した […]