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書評

「ガード下」の誕生――鉄道と都市の近代史

私が東京をはじめ、関東に来たとき、初めて衝撃を受けたものとして「ガード下」と呼ばれるような場所にいろいろな店があったことにある。これまでバラエティやドキュメンタリーの番組で見るくらいしかなかった。 東京をはじめとした都市部ではどのようにして「ガード下」ができ、産業が栄えていったのか。著者自ら様々な「ガード下」を歩き続け、発見したこと、歴史についてを綴ったのが本書である。 Ⅰ.「ガード下とは何か?― […]

「モナリザ」の微笑み

世界的な名画であり、イタリアの画匠であるレオナルド・ダ・ビンチの代表作の一つとして「「モナリザ」の微笑み」が挙げられる。その「モナリザ」はダヴィンチの友人の妻が「モナリザ」だったことから作品名が「モナリザ」になった。 「世界的名画」として取り上げられる「モナリザ」だが、「微笑み」をはじめとした多くの「謎」が残されている。本書では「モナリザ」を巡る謎の数々について取り上げている。 Ⅰ章「モナリザは微 […]

SL機関士の太平洋戦争

大東亜戦争(太平洋戦争)は様々な記録・記憶が残っているが、本書はSL機関士の観点から大東亜戦争とは何だったのか、元機関士の証言をもとに綴っている。大東亜戦争前は日本本島もさることながら、満州や台湾、朝鮮半島での近代化も行われてきたのだが、中でも鉄道は輸送機関として貴重なインフラ資源だった。 第一章「機関士を目指した愛国少年たち―14歳で機関区の門を叩く」 戦前、SL機関士は少年にとって憧れの職業で […]

判断と決断 ―不完全な僕らがリーダーであるために

リーダーとしての資質が問われるものとして色々なものがあるのだが、中でも「判断」と「決断」はリーダーにおいて重要なスキルであり、ムダに迷ってしまうチームを補う道具として用いられるのだという。著者にとって、「判断」と「決断」とは、 「判断」・・・過去について評価すること 「決断」・・・未来への方向性を打ち出すこと(p.4より) とある。その「判断」と「決断」はどのようにして作られていくのだろうか。著者 […]

娘をダメにする魔の母親遺伝子~Oh, No! I’ve Become My Mother

男性も女性も幸せを求めて生きる。しかし人間関係が上手く行かず、結婚はおろか、恋愛すら立ちゆかなくなることがあるのだという。 特に女性は「母親の遺伝子」により上手く行かなくなるのだという。本書はなぜ「母親遺伝子」が恋愛をはじめとした人間関係が上手く行かないのだろうか。その原因と対策について伝授している。 第一章「母親の影響力」 「私はお母さんの影響なんて受けない!」 と答える方も多いことだが、親子の […]

神さまが教えてくれた幸福論

「人にとっての「幸せ」とは何なのか」 それは誰しも問い続ける課題としてあげられる。特に本書のタイトルにある「幸福論」については、アランやB・ラッセルの「幸福論」にもあるように名著としてあげられる作品もある。 では、日本人において「幸福」とは何か。本書は古代に本陣の行き方にあった「ナガタ」「ナガサキ」のことを中心に作家と心理学者が対談形式で紐解いている。 なお、「ナガタ」と言っても名字のことではなく […]

木材革命―ほんとうの「木の文化の国」が始まる

元々日本では「木材」を重宝し、家などの建物に使われた。江戸時代は「木」で作られた建物がほとんどで、例外というと城の石垣くらいだったが、明治維新になった時に「木は脆く、火事や地震に弱く、古臭い」といって蔑視し、レンガなど非木材が使われた洋館を建設するようになり、戦後になると、その潮流がさらに加速し、コンクリートや鉄を多用するようになってきた。さらに木材の蔑視は拍車を書け、林業に対して、木材に関して知 […]

見えないアメリカ

アメリカはでは先々月末から先月半ばにかけて、政治的な対立が深刻化し、あわやデフォルトになるような状態にまでなってしまった。もしデフォルトとなってしまうと、世界経済にも「リーマン・ショック」をはるかに越える影響を及ぼすことは間違いなく、極論となってしまうが、政治的な孤立になることもあれば、軍事的にも「第三次世界大戦」にもなる可能性があった。 ひとまず一段落はしたものの、一時的なものであり、来年早々に […]

海のイカロス

時は3.11後の脱原発運動が盛んに行われる、俗に言う「原発クライシス」と呼ばれていた日。脱原発を掲げながらも新エネルギーに対する模索が行われていた。 その中で注目されたのが「潮流発電」と呼ばれる発電システムだが、主に海流を利用する発電のことであるという。現実には「潮力発電」というのが鳴門海峡や津軽海峡、関門海峡などで実験段階であるが、稼働している状態だという。実用化のめどは立っていない。 本書の話 […]

裸にされた花嫁

本書は小説なのだが、フィクションかノンフィクションなのかは分からない。ましてや本書の著者は匿名希望であるのだが、本書を書き上げる時に失踪してしまっている状態である。もちろん現在は存命なのか、それとも亡くなられたのか全く分からない。 本書はイギリスの郊外にすんでいるとある夫婦の結婚生活、生事情について赤裸々に描いている。レッスン毎に章立てが分かれているのだが、ある種の「日記」と呼べる様な内容のように […]