CATEGORY

書評

恋都の狐さん

「恋愛成就」というと神社が挙げられる。いわゆる「縁結び」のことを行っているのだが、縁結びの神社として有名なのが「出雲大社」であったり、石川県の気多大社であったり、京都府の地主神社などが挙げられる。他にも縁結びの願いを叶えられる神社はたくさん存在する。 本書の話に戻すが、本書の舞台は奈良の東大寺。東大寺に訪れた女性が偶然「狐(のお面を被った男性)」に出会うところから物語が始まる。「狐」というと「稲荷 […]

1分間バフェット お金の本質を解き明かす88の原則

「世界的な投資家」というとゴマンといるのだが、その中の頂点に立つ人は限られており、ウォーレン・バフェットは数少ない人物の一人と言える存在である。そのウォーレン・バフェットはどのような言葉を遺してきたのか。本書は名言集と解説を88個紹介しながら、投資とは何か、ビジネスとは何か、人生とは何かを説いている。 第1章「逆を行くことだ。ただし正反対では芸がないな」 「あえて逆を行く」 と言う言葉がある。それ […]

本気でやったら意外と楽しい!? マイルの奴隷

「奴隷」というと、人に使役される、こき使われると言ったイメージを持たれてしまうのだが、本書のようにポジティブな意味での「奴隷」はあまり見かけない。 「マイルの奴隷」 それは、飛行機の魅力にズブズブとハマり、生活そのものにまで隷属してしまう、という苦しくもなく、むしろ「愉しい」奴隷生活のことを言う。 本書の著者は航空評論家であるが、それは表の顔でじつは、本当の意味で「マイルの奴隷」となった。その証拠 […]

<通訳>たちの幕末維新

江戸時代における日本には「鎖国」の状態にあったのだが、中国大陸(明・清の王朝)とオランダに限って貿易を行っていた。ただ、オランダ人や中国・朝鮮人だけが鎖国時代の日本に来たのか、と言う塗装ではない、シーボルトをはじめとしたドイツ人、トゥーンベリをはじめとしたスペイン人も日本にやってきていた。その窓口となったのが出島(長崎市の南部)だった。 その出島では、「通詞(つうじ)」と呼ばれる集団もいた。辞書で […]

『源氏物語』と騎士道物語―王妃との愛

「源氏物語」は平安時代、紫式部が描いた恋愛文学であると同時に「姦通文学」と呼ばれる、いわゆる官能小説のような作品と言える。しかし「源氏物語」は代表的な日本文学作品として、日本はもちろんのこと、海外でも取り扱われることが多い。著者もアーサー・ウェイリーが英訳した「源氏物語」を読み、感銘を受けた一人である。 海外から見た「源氏物語」の魅力と、欧米に存在する「騎士道」と絡めて考察を行ったのが本書である。 […]

愛国・革命・民主~日本史から世界を考える

明治維新以降「近代国家」が作られたのだが、西洋を中心とした「列強」とは一風変わった変化・経験を積んできた。その大きな原因として、長年「鎖国」を行ってきた江戸時代の経験によるものだという。 日本の経験は、諸外国から見たら「特殊」と言えるような経験だが、どのような根拠で「特殊」と言えるのか、そしてそもそも「普遍」の経験は何なのか、本書はタイトルにある「愛国」「革命」「民主」の観点から日本史を紐解いてい […]

ジューン・プライド

「ジューン・ブライド」と言う言葉は聞いたことがある。調べてみると、 「6月に結婚する花嫁。西洋で、6月が女性と結婚生活の守護神ジュノーの月であることから、この月に結婚すると幸福になるとされる。」(「広辞苑 第六版」より) とある。簡単に言えば、6月に結婚をすると幸福になる、という迷信、と言うより神話から来ているのである。 では、本書のタイトルは「ジューン・プライド」。 「ブライド(花嫁)」と言うの […]

エネルギー論争の盲点―天然ガスと分散化が日本を救う

東日本大震災以降、原発に対するバッシング、さらに脱原発の声が高まっている。政府も長期的に「脱原発」を行うことを明言したのだが、原発に代わるエネルギーをどうするのか、という論争が続いている。方や火力発電を、方や太陽光をはじめとした自然エネルギーの推進なのかというのが焦点であるのが、そもそもその議論には「盲点」があり、不毛なものになっていると著者は主張する。 エネルギー問題をいかにして解決していくか、 […]

笑う大英帝国―文化としてのユーモア

イギリスは「紳士の国」と呼ばれているのだが、以外にも「パロディ」や「ジョーク」「ユーモア」にまみれた「笑いの国」だという。紳士的でありながら「ドライ」なイメージを持つ方も少なくないのだが、本書のように出てくる「ウィット感」は信じがたい、というほかない。しかしそれが「大英帝国」とよばれるイギリスの真実である。 本書は「笑い」にフォーカスを当てた「イギリス」の文化について迫っている。 第1章「笑いの王 […]

日本の食糧が危ない

日本の食料自給率は2012年現在、カロリーベースで39%となっている。ほとんどの食品は諸外国の輸入に頼らざるを得ない、というメッセージと言える。他にもTPP交渉によって、日本の農政が大きく変わりそうだが、悪い意味ととらえるか、良い意味ととらえるかは人それぞれである。 さて、本書は「日本の食糧」が危機的状況にある、と警告した一冊であるが、どのようなものがあるのだろうか。 第一章「戸別所得保障制度と日 […]